川辺川をつかむ国土交通省「つづき」
前回の報告に続き、川辺川ダム問題の報告です。5月28日、国土交通委員会の一般質疑で、前回の報告で主張していた内容に関し、国土交通省に問いただしました。議事録(未定稿)から、政府答弁を再現します。 Q1: 違法事業が国土交通省の「事業認定(国が漁民から強制的に漁業権を奪う手続の一段階目)申請書に添付された「計画書」に含まれていることを認識しているか? 国交省総合政策局長答弁「今回の判決におきまして、農業業用廃水事業及び区 画整理事業の二つについて、計画変更の同意要件が満たされず、手続上違法という判断があったというふうに認識しています」 Q2: 農水大臣は上訴しないと発表したので、事業認定とは違う事業が進められる。国営事業の要件3000haを満たさず、小規模な利水事業で済む可能性が大きい。国営事業の要件は? 農水省答弁「国営事業の要件についてお尋ねでございますが、水田を対象としたものにつきましては、かんがい排水事業は3000ヘクタールが採択要件になっておりますし、畑地かんがいを対象としていますものは1000ヘクタールがその対象となっております。」 Q3: 一般論として、事業の認定庁(国土交通省)として取る態度の中に、事業認定の取り消しが含まれてもおかしくない。 国交省総合政策局長答弁「一般論でというお話でございますので一般論で申し上げますと、事業認定処分を行った後に事業計画に関する事情の変更が生じた場合、これは、まずは起業者において事業計画を変更する必要があるかどうかというのを判断することになります。なお、法律上、土地収用法上、事業認定後に認定庁が認定を取り消すという旨の規定はございません。」 Q4: 現在、平成12年12月の時点での「事業認定」に基づいて、熊本県の収用委員会が審理中だが、事業認定の中身に違法とされる事業が含まれ、その事業を所轄する農水省が見直しを公言している場合、収用委員会が行使できる権限、選択肢はどのようなものがあるか。 国交省総合政策局長答弁「今回の判決を受けて、起業者の方では、農林水産省の今後の利水計画を見極めながら具体的な対応を検討されるものと考えておりますが、収用委員会の審理をどう進めていくかということにつきましては、これは収用委員会の審理指揮にゆだねられております。したがいまして、具体的には、収用委員会は起業者に対して今後の具体的な対応について説明を求めるとともに、当然、起業者の方でも、必要に応じ資料を提供する等の説明責任を果たしていくべきものというふうに考えております。」 Q5: 収用委員会から、審理の中止、事業認定庁への差し戻し、事業認定の取消し勧告なども選択肢にあるか。 国交省総合政策局長答弁「事業認定の告示後、起業者が当初の事業計画を変更する場合に、収用委員会は、起業者から事業計画の変更の申し出があった場合に、その事業計画の変更の内容について説明を聴取した上で、事業計画の変更が軽微なものと判断した場合には、変更された事業計画に基づき審理を進めていくことになります。それから、仮に収用委員会が、事業認定を受けた当初の事業計画と変更された事業計画との間に著しい差異を判断した場合には、収用委員会が収用採決申請を却下しなければならないというのが法律の規定でございます。」 Q6: 利水裁判の判決で、裁判所が認めた「農業用用廃水事業」「区画整理事業」「農地造成事業」の同意者数にカウントされる農家が所有する事業面積の総計はいくらか。 農水省答弁「受益のうち一筆ごとの現況の地目、面積、所有権、工作者、これについては把握をしております。そしてまた、それを個々の受益農家ごとに集計したものもございます。(略)同意者としてまとめて集計したものは用意してございません。」 「受益者の方が相当数おられますので、相当時間を要するものと思います。まずは集計に入りたいと思いますので、先が見えましたら、具体的にいつごろまでということが言えるような時期が来ましたら、また御報告したいと思います。」 「法律」は万全ではありません。その「法律」に基づいてしか、「行政」は仕事をできません。今回の質疑では、行政の認識と制度の限界を慎重に尋ねました。「法律」の限界はどこかを見極め、「判断」をすることが選挙に政治家の役目なのだと考えます。「やはりどこかでだれかが判断をしなくてはいけない問題だと私は思っていますので、ぜひ、事業の認定した庁としての責任を感じていただきたい」と、川辺川ダムに関する質問を締めくくりました。
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