活動日記
[過去5〜10 回までの活動日記]

活動日記 第15号 2003.6.1
川辺川をつかむ国土交通省「つづき」

前回の報告に続き、川辺川ダム問題の報告です。5月28日、国土交通委員会の一般質疑で、前回の報告で主張していた内容に関し、国土交通省に問いただしました。議事録(未定稿)から、政府答弁を再現します。
Q1: 違法事業が国土交通省の「事業認定(国が漁民から強制的に漁業権を奪う手続の一段階目)申請書に添付された「計画書」に含まれていることを認識しているか?
国交省総合政策局長答弁「今回の判決におきまして、農業業用廃水事業及び区      画整理事業の二つについて、計画変更の同意要件が満たされず、手続上違法という判断があったというふうに認識しています」
Q2: 農水大臣は上訴しないと発表したので、事業認定とは違う事業が進められる。国営事業の要件3000haを満たさず、小規模な利水事業で済む可能性が大きい。国営事業の要件は?
農水省答弁「国営事業の要件についてお尋ねでございますが、水田を対象としたものにつきましては、かんがい排水事業は3000ヘクタールが採択要件になっておりますし、畑地かんがいを対象としていますものは1000ヘクタールがその対象となっております。」
Q3: 一般論として、事業の認定庁(国土交通省)として取る態度の中に、事業認定の取り消しが含まれてもおかしくない。
国交省総合政策局長答弁「一般論でというお話でございますので一般論で申し上げますと、事業認定処分を行った後に事業計画に関する事情の変更が生じた場合、これは、まずは起業者において事業計画を変更する必要があるかどうかというのを判断することになります。なお、法律上、土地収用法上、事業認定後に認定庁が認定を取り消すという旨の規定はございません。」
Q4: 現在、平成12年12月の時点での「事業認定」に基づいて、熊本県の収用委員会が審理中だが、事業認定の中身に違法とされる事業が含まれ、その事業を所轄する農水省が見直しを公言している場合、収用委員会が行使できる権限、選択肢はどのようなものがあるか。
国交省総合政策局長答弁「今回の判決を受けて、起業者の方では、農林水産省の今後の利水計画を見極めながら具体的な対応を検討されるものと考えておりますが、収用委員会の審理をどう進めていくかということにつきましては、これは収用委員会の審理指揮にゆだねられております。したがいまして、具体的には、収用委員会は起業者に対して今後の具体的な対応について説明を求めるとともに、当然、起業者の方でも、必要に応じ資料を提供する等の説明責任を果たしていくべきものというふうに考えております。」
Q5: 収用委員会から、審理の中止、事業認定庁への差し戻し、事業認定の取消し勧告なども選択肢にあるか。
国交省総合政策局長答弁「事業認定の告示後、起業者が当初の事業計画を変更する場合に、収用委員会は、起業者から事業計画の変更の申し出があった場合に、その事業計画の変更の内容について説明を聴取した上で、事業計画の変更が軽微なものと判断した場合には、変更された事業計画に基づき審理を進めていくことになります。それから、仮に収用委員会が、事業認定を受けた当初の事業計画と変更された事業計画との間に著しい差異を判断した場合には、収用委員会が収用採決申請を却下しなければならないというのが法律の規定でございます。」
Q6: 利水裁判の判決で、裁判所が認めた「農業用用廃水事業」「区画整理事業」「農地造成事業」の同意者数にカウントされる農家が所有する事業面積の総計はいくらか。
農水省答弁「受益のうち一筆ごとの現況の地目、面積、所有権、工作者、これについては把握をしております。そしてまた、それを個々の受益農家ごとに集計したものもございます。(略)同意者としてまとめて集計したものは用意してございません。」
「受益者の方が相当数おられますので、相当時間を要するものと思います。まずは集計に入りたいと思いますので、先が見えましたら、具体的にいつごろまでということが言えるような時期が来ましたら、また御報告したいと思います。」

「法律」は万全ではありません。その「法律」に基づいてしか、「行政」は仕事をできません。今回の質疑では、行政の認識と制度の限界を慎重に尋ねました。「法律」の限界はどこかを見極め、「判断」をすることが選挙に政治家の役目なのだと考えます。「やはりどこかでだれかが判断をしなくてはいけない問題だと私は思っていますので、ぜひ、事業の認定した庁としての責任を感じていただきたい」と、川辺川ダムに関する質問を締めくくりました。

活動日記 第14号 2003.5.23
川辺川をつかむ国土交通省の「右手」と「左手」


5月23日は、航空法の一部改正の審議でした。トイレでタバコを吸うなどの迷惑
行為を繰り返したり止めないでいたりすると、50万円以下の罰金をかされるという
もの。皆さん、気をつけましょう。
さて、予算委員会・分科会などで取り上げてきた川辺川ダム事業(活動日記第5号2003.3.14)が、一つのクライマックスを迎えています。
川辺川から水を引くことになっていた農水省の川辺川土地改良事業を巡る「利水訴訟」で、福岡高裁で農民が勝訴し、農水大臣は上訴しないと発表したニュースをご覧になった方もおられると思います。農水大臣は、「農業用水確保のための必要な整備を進める」つまり、見直すと表明しています。これは実は、大きなターニング・ポイントをもたらすことになります。
 なぜなら、旧建設省の建設経済局(現在、国土交通省総合政策局)は、平成12年12月26日に、土地収用法に基づいて、川辺川ダムの事業認定ました。「事業認定」という手続は、国はダムを作りたいが、漁業権をもっている漁民たちが承服しないので、国が無理やり買い取る手続です。その時、「事業認定申請書」という、何の事業のために、国が何を奪い取るかを、奪い取る側が、国土交通省に提出します。(この場合、奪い取る国土交通省が、事業認定手続を担当している立場の国土交通省に出すので、「右手で提出し、左手でハンコを押す」手続と言われています。)
 その申請書には、「国営川辺川土地改良事業」という名称とともに、今回、裁判所に「違法」と判決された事業がはっきりと含まれています。
 違法事業を根拠に、国が漁民から漁業権を奪うことなど、やっていいわけがありません。法治国家であるならば、国土交通省の『右手』は、ただちに事業認定を取り下げ、『左手』は、取り消すべきです。
------------------------------------------------------------------------------
 写真:5月16日「農民勝訴」判決の知らせで農水省前に駆けつけました!

活動日記 第13号 2003.5.18
「独立行政法人都市再生機構法案」

「独立行政法人都市再生機構法案」
先週&今週と国土交通委員会では「独立行政法人都市再生機構法案」に対する質疑が行われました。今回の法改正も「都市基盤整備公団」を民営化し「独立行政法人都市再生機構」へと移行させるという、道路公団・住宅金融公庫に続く、特殊法人改革の一つです。
 「都市基盤整備公団」が「住宅・都市整備公団」から移行したのは1999年。たった4年前のことです。今回の法案は、4年間に公団が当然済ませておくべき課題を放置し、不良資産を後ろ手に隠したまま、「都市再生」の名の下で、既成市街地での新たな事業に移行しようとするものです。
都市公団がこの4年間で解決すべきだった課題は、当時審議されたときの衆議院附帯決議の中にすでに盛り込まれていました。
その1:子会社との関係
附帯決議では「関係法人との随意契約の適用を厳格に行い、競争入札を原則とすることにより、民間事業者の業務機会の拡大に努めること」とありますが、子会社の中では「日本総合住生活」が独占的に取引額の9割を占め、またそれと比例して多くの職員が天下っているなど、以前の住都公団が抱えていた課題はそのまま放置されています。道路公団と同様、解決方法も提示されていません。
その2:財務内容の公開
附帯決議では「関係法人を含め、財務内容等の情報公開を進めることにより、公平、透明な業務運営を行うよう努めること」とあります。2001年12月に閣議決定された「特殊法人等の組織見直しの類型別ガイドライン」でも、特殊法人から独立行政法人に引き継がれる資産および負債については、「時価評価」を行うことを原則とする、と定められていました。しかし、法案提出を前にそれらはまったくクリアされず、今年の2月にやっと都市公団内部の「資産評価研究会」の報告書が出て、これから資産評価方法が検討され、どの資産にどの評価方法を適用するかを決めるという段階です。新法人へ移行する法案を提出する前に、不良資産の全様を明らかに、何を改革するのか明らかにするべきです。
そもそも都市基盤公団の財務の悪化の原因は、無駄な再開発や虫食いの土地保有、天下り官僚によるずさんな経営やファミリー企業の問題にあります。今回の法案は、国民共有に貴重な賃貸住宅を売却して財政赤字の穴埋めにし、民間資本に切り渡し、一方、銀行やゼネコンを助けるもうけ口の都市再開発に特化させようという「改革」にほかならず、76万戸200万人の公団賃貸住宅住民に不安を抱かせるものです。都市公団が住宅政策という本来業務から踏み出さず、不良資産を整理しながら経営してきていれば、住宅部門の家賃を下げたり、より質の高い住宅を提供したりするなど、もっと人々に喜ばれる施策ができたはずです。
 はじめに民営化ありきの競争至上主義ではなく、この国の住宅政策をいったいどうしていくのか。豊かな住生活を保障するため優良な賃貸住宅を一定数確保することは、国の住宅政策として不可欠です。今後、居住者の居住の安定、公的住宅政策の再確立、企業会計並の財務諸表の公開、地方分権、など、看板のかけかえではなく、本質的な改革がされることを願い、一連の質問を終え、反対しました。
--------------------------------------------------------------------------------
5月7日(法案審議)原 質疑
http://www.shugiintv.go.jp/rm.ram?deli_id=20535&media_type=rn&time=05:35:06.3

5月9日(参考人質疑)日森議員 質疑
http://www.shugiintv.go.jp/rm.ram?deli_id=20575&media_type=rn&time=02:30:58.5

5月14日(法案審議)原 質疑
http://www.shugiintv.go.jp/rm.ram?deli_id=20632&media_type=rn&time=04:42:06.0

5月14日(反対討論)原
http://www.shugiintv.go.jp/rm.ram?deli_id=20632&media_type=rn&time=05:40:38.9

活動日記 第12号 2003.5.11
個人情報「反故」法案

個人情報保護法
 国土交通委員会は、今「都市公団」が「都市再生機構」に移行する法案の真っ最中。その横で、他の重要法案も審議がドンドン進んでいます。
個人情報保護法案がその一つ。衆議院を通過し、9日に参議院で審議入りです。衆議院での審議を通し、基本法(民間)の個人情報保護法案は、誰が規制対象となるか、根本的な問題で、法律案があまりにもあいまい過ぎることが浮き彫りになりました。ここでは、行政機関の個人情報保護法案に焦点を当てて、野党対案がどのようなものだったか、参議院で注目すべき点は何か、主な点だけを報告します。

○ 目的外利用や外部提供禁止
・政府案では、目的外利用や外部提供を行っても、外部からは全く見えません。
・野党案では、目的外利用や外部提供を原則禁止し、行う場合は、
@「情報公開・個人情報保護審査会」の意見を聴く(緊急時は事後報告でも可)
A目的や理由などを記録して残す。
B利用は行政機関内部の特定の部局又は機関に限る。
と透明性を確保できる工夫をしました。

○訴訟は地方裁判所でできるように
・政府案では、個人が行政の持つ自己情報を開示請求や訂正請求をしても、それを拒絶された場合、行政庁の所在地(おもに東京)でしか裁判が起こせません。
・野党案は、請求者の住所地を管轄する地方裁判所で提訴できるようにしました。「情報公開法」の審議でも全国8ヶ所の地方裁判所への提訴が可能になるよう修正された経緯もあります。

○個人情報は「適法かつ適正に取得」すべし!
・政府案は民間にはこれを求めていますが、行政には求めていません。
・野党案では書き込みました。

 その他、「センシティブ情報収集規制」「データ・マッチング規制」「自己情報コントロール権」「決定期限みなし規定」など、与党案で想定できる不安を解消する規定を設けました。ただし、住民基本台帳ネットワークの稼動を止めなければ、流出などの危険性を解消することはできません。

今後の参議院審議にも注目です!!

活動日記 第11号 2003.4.20
*住宅金融公庫*

4月15日から始まった住宅金融公庫一部改正法案の審議に、二日目の16日から参戦。
住宅金融公庫は、平成13年11月に「先行7法人」に挙げられ特殊法人改革として重要であるだけでなく、9つの政府系金融機関で最初の改革ケースでもあります。政府系金融機関は、住宅金融公庫に限らず、民間の銀行の仕事を奪っている(民業圧迫)という批判を受けています。住宅金融公庫の場合、住宅ローン市場の37.1%を占めていて、住宅ローンを組む人の3軒に1軒が公庫から借りていることになります。人々が公庫に認めている存在意義には次のようなものがあります。
第一は、公庫が差別のない融資を行ってきたこと。
第二は、「長期・固定・低金利」の融資であること。
第三は、公庫融資が、バリアフリーや省エネなどの規準を折り込み、住宅の質の向上に寄与してきたということ。
そのどれもが民間では実現してこなかったことです。
 これを民間銀行に段階的に開放する法案ですが、銀行が住宅ローンを証券化して投資家に売る。公庫は裏側で支援(保証)業務を行う。平成15年度は5.9兆円(38万戸)分のうち、0.2兆円分をこの方法で融資する。平成13年に決まった@5年以内の廃止、A融資業務の段階的縮小、B証券化支援業務を行う法人の設立などの方針を法案にしたものです。
 一日目の審議を通して、政府はこれを住宅政策の転換として考えているのではないということが分かりました。だとすれば、政府係金融機関の改革なのか、組織改革なのか、財政投融資改革なのか。そういうスタンスで審議に臨みました。
 廃止とは言うものの、段階的であり、不透明な点が多く、公庫に代わって作る予定の「独立行政法人」に天下りはしないという確認を取ろうとしたところ(今は住宅金融公庫に財務省や国交省から天下っています)、「適材適所」という言い方で逃げられました。組織改革としての議論は足りていません。
 また、財政投融資改革としても不十分な審議でした。財政投融資からの借り入れは66兆円。この財政投融資からの借り入れをどう減らしていくのかについても、審議が足りていません。
 さらに、住宅ローン市場における官民の役割は何か、住宅政策はどうあるべきかの議論はまったく熟しておらず、その2点における方向性がまったく明らかでないまま、「先行7法人」で廃止という結論だけが打ち出されました。 
住宅金融公庫が、高度成長期の住宅難の時代から、国の住宅政策の一環として、国民の持ち家取得にどのように貢献し、何を反省せねばならないか、財政投融資や一般会計から国民のお金が投入される特殊法人としてどのようにあるべきか、改革の基本に立ち返り、さらなる議論と民意を反映した改革とならなくてはならないと思いました。
 と言うことで・・・反対をしました。
4月15日(法案審議)日森議員 質疑
http://www.shugiintv.go.jp/rm.ram?deli_id=20250&media_type=rn&time=06:12:05.3
4月16日(参考人質疑)原 質疑
http://www.shugiintv.go.jp/rm.ram?deli_id=20270&media_type=rn&time=02:30:15.3
4月16日(法案審議)原 質疑
http://www.shugiintv.go.jp/rm.ram?deli_id=20270&media_type=rn&time=06:11:12.2
4月18日(反対討論)原
http://www.shugiintv.go.jp/rm.ram?deli_id=20351&media_type=rn&time=01:41:22.0

活動日記 第10号 2003.4.13
港湾・空港でボロボロの地方財政


4月8日、港湾法改正と空港整備法改正の審議。
港湾も空港も、道路事業に比べれば規模は小さくても地方財政を圧迫しています。今回の法改正は、それぞれの「特別会計」で国が支援する、いわゆる「ひも付き予算」の使い道を広げる改正です。こうやって、少しづつ公共事業の種類と幅を増やして、一つの事業が終わっても次の事業にしがみつき、「予算だけは毎年確保するんだ」という国のやり方の典型です。
日本の税収全体では、平成2年と比べると平成13年度は約2割も減少しているのに、今回、政府答弁によって、空港事業は減少どころか3割増、港湾事業は0.96倍で横ばいだと判明しました。

空港事業の方は、特定財源を地方が自由に使える財源として移譲する気はないと断言。一方で中部空港や関西空港に、国は出資だ補助金だ補給金だと一般会計から670億円、さらに財政投融資から羽田空港沖合展開事業に支出、支出、支出なのです。

港湾事業は、港湾管理者となっている自治体に財政難を引き起こしています。政府答弁で、平成12年で、全国128の重要港湾のうち、管理費が賄えている港は半分以下の50港。財政投融資からお金を借りて港湾を作っているのに、それを管理費で償還できている港は一つもなし!128港を管理する68港湾管理者すべてが、自治体の一般財源から赤字を補っているというのです。

「局ごとに地方を振り回すやり方を国が意識して変えていくべきではないか」という問いに対し、扇大臣は、だから「長期計画の9本を1本にしたんだ」と答弁。しかし「一本化したけれども会計は別途残っている(お財布は別々に握っているのだ)。お金の面からも全体的に見直すべきだ」と反論して質問を終えました。
4月8日(法案審議)原 質疑

Link:http://www.shugiintv.go.jp/rm.ram?deli_id=20187&media_type=rn&time=02:17:42.8



●これ以前の活動日記を読む●


  copyright 2001 原よう子