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第151回国会 衆議院予算委員会第三分科会2号 2001/3/2
○原分科員  社会民主党の原陽子です。よろしくお願いいたします。
 冒頭、高村大臣にお聞きをしたいと思います。
 大臣は、先日の法務委員会で判検交流について、共産党の木島日出夫議員と民主党の野田佳彦議員の質問にお答えになられまして、そして、個人的には、判事から訟務検事になる数が多過ぎるので是正しなければならないという趣旨の答弁をされたと聞き、三権分立の観点から、私も、それはそのとおり、それを歓迎しております。そのような個人的な御意見には間違いはございませんか。
○高村国務大臣  判事から検事に行くのが多過ぎると必ずしも言ったわけではなくて、ほかのものが少な過ぎるからバランスがとれないねという話。私個人としてはですよ。
 法曹三者というのは、やはりそれぞれ、その立場になったときはその立場でやる、そういうものだと私は思っておるのです。ただ、一方の、法曹一元と言われる、本来の、主流の弁護士から判事になるのは余りいない中で、判検交流、判事から検事もしくは法務省に来る、そのバランスが今とれていないことが問題なのかなと。それは私の私見でありまして、これについて司法制度改革審議会で今御論議をいただいている、こういうことでございます。
○原分科員  バランスがとれていないという御意見をお持ちであるのであれば、そのバランスがとれるようにしていただきたいと思います。
 それでは、早速質問に移らせていただきます。まず最初に、青少年の犯罪についてお尋ねをいたします。
 私も前回の臨時国会で、少年法や児童虐待法に取り組みをいたしました。その中でやはり、子供たちのことを、青少年のことを問うということは、実は今大人社会が同時に問われているということを最も強く感じました。そして、俗に言う十七歳問題、十七歳を初めとする少年犯罪がことしほど目立っている年はないのではないでしょうか。
 今回、少年院に入って仮退院をした少年たちが再び犯罪を犯す率について資料を請求させていただきました。それを見ますと、再び罪を犯す率というのは大体二〇%前後を推移していることがわかりました。
 少年院法の第一条には、少年院とは矯正教育を授ける施設と書かれてあります。つまり、再犯を防止できてこそ少年院であるわけです。今回の予算編成では人や予算はふえているのかをお尋ねしたいと思います。
○長勢副大臣  平成十三年度予算案におきましても、少年事件の適正な捜査処理、非行少年の処遇の充実、今おっしゃいました再犯防止等につきまして充実を図る努力をしたところでございます。合計六十一人の増員を盛り込むとともに、青少年対策関係予算として総額約五百六十億九千六百万円を計上しておりまして、前年度と比較いたしまして二十五億三千五百万円の増額となっております。
 主な事項として、今申しましたような青少年検察の充実強化もありますけれども、少年院教化活動の充実、少年鑑別 所業務の充実、青少年保護観察の充実等に増額を図っておるところでございます。
○原分科員  それでは、例えば、再犯防止、再び罪を犯さないために、仮退院をした後の少年たちにどのようなフォローをなさっているかということをお聞きしたいと思います。
○長勢副大臣  日本の少年院は世界でも大変効果を上げておるという評価をいただいておるところでございますが、少年院入所中におきまして、非常に科学的、あるいはまた、心理学とかいろいろな分野の学問あるいは研究成果 を踏まえた教育方法の研究を踏まえまして、非行の重大性を認識させる、また罪の意識をきちんと持たせる、さらに人への思いやりを持たせる、社会的なつき合い方を考えさせる、覚えさせるといったような、健全な社会人として必要な感性、知識といったものを身につけさせるための指導を相当念入りにやらせていただいております。そういう中で、社会適応訓練ですとか、それからまた社会奉仕活動などを通 じまして、社会に復帰できるように矯正教育を念入りに行っておるところでございます。
 さらに、保護観察所におきまして、保護観察官あるいは保護司の方々が、保護者等とも連絡をしながら、出院後の生活が円滑にできるようにいろいろな助言をする、また援助をするということをやっております。退院後も当然、保護司の方々などに今のことを大変御苦労いただいてやっておるわけでございまして、今後ともこの成果 が上がるようにさらに最大限の努力を図ってまいりたいと思っております。
○原分科員  さまざまな御努力をなさっているということは十分にわかりましたが、統計で実際に推移したまま減少をしていないということが出ているということは、まだまだ対策が不十分ということではないでしょうか。
 もちろん、この問題に関しては、地域社会とか家庭とか学校環境など、さまざま社会全体に及ぶ問題であるとは思います。だからこそ、私は、少年院という窓口から、社会をどう変えていけばいいのかということを提起していただくことが重要ではないかと思います。先ほど、世界でも高い評価を受けている日本の少年院ということをおっしゃっていましたが、少年院から日本を変えるつもりで、少年を見守る大人たちが社会全体に対して実情を訴える必要があるかと思います。
 私は、提案として、例えば縦割りを超えた連絡会議等を厚生省などとつくったらどうかななんというふうにも思ったりするのですが、大臣にこれはお聞きしたいと思います。青少年の犯罪や再犯を防止するために、高村法務大臣の決意をお聞きしたいと思います。
○高村国務大臣  不幸にして一度非行や犯罪に走った少年が再び犯罪を犯す、そういったことはまさに、社会にとってもそうでありますが、個人にとっても大変不幸なことであるわけであります。
 今、長勢副大臣からお答えいたしましたように、日本の少年院は国際的にも高い評価をされていますけれども、また同時に、だからといって再犯率が減っているわけではないという事実もあるので、あらゆる施策を講じながら、再犯率が減るように、その少年の特性に応じた処遇をして更生を図っていく、そういった面 に法務省としても全力を尽くしてまいりたい、こう思います。
○原分科員  ぜひ、子供たちが本当に元気に暮らせる社会になるためにも、若い世代の代表として私も一緒に頑張っていきたいというふうに思います。
 次の質問に移らせていただきます。次の質問は、恩赦というものについてお尋ねをしたいと思います。
 実は、このことは私が中学生ぐらいのときから疑問に思っていたことであります。そのときというのは、昭和天皇が亡くなられたときで、私はたしか中学一年生ぐらいだったと思うのですが、そのときは余り知識はなかったので、天皇陛下が亡くなられると罪が消えるんだよとか、刑務所から出てくるんだよとか、それって不思議な制度だね、それって本当に必要なのかな、いいことなのかななんという会話を同級生同士でしたのを覚えていまして、そのことをぜひきょうはお聞きをしたいと思います。
 先日、村上正邦前議員が逮捕されました。最近やはり世間を騒がせているのが、政治に絡む疑惑や犯罪です。間もなく参議院選挙も近づきます。
 そこで、憲法と恩赦法で定められている恩赦について私は調べてみました。中でも、公職選挙法を犯した人の被選挙権などが恩赦によって復活している数を調べて驚きました。平成元年二月の二十四日の天皇陛下が亡くなられたときに一万五千人、その後、その二年後の十一月十二日に今の天皇が御即位 されたときに五千人の選挙に出る権利が復活しています。私はこれは物すごい数だというふうに思っています。全体の数では、平成元年に一千十四万人、そして平成二年に二百五十万人の方が一律に復権をしています。大臣、このような数字があるということを御存じだったでしょうか。
○高村国務大臣  今指摘された数字は、申しわけありませんが、知りませんでした。
○原分科員  恩赦に関してはさまざまな意見があるとは思います。私も実はこのような制度があるということをここの世界に来て知ったわけですが、しかし、今政界にまつわるさまざまな汚職の事件があったりしますよね、たくさんあるかと思います。その政界にある汚職の芽を摘む急務がある今、私は、この公職選挙法違反に限りその復権を一切認めるべきではないというふうに思うのですが、大臣の今のお考えをお聞きできたらなと思います。
○高村国務大臣  選挙が公正に行われるということは、議会制民主主義を維持する上で極めて重要なことであります。選挙違反者に対する罰則の適用はそういう意味で厳正に行われるべきだ、こう考えております。
 ただ、選挙違反者についてだけ一律に恩赦の対象から除外するということに合理性があるとまで言えるかなというと、私は、そうではないのではないか、他の犯罪とのバランスや事案の内容などを勘案して判断していくべきだ、こういうふうに考えております。参議院選挙が近いから選挙犯罪だけみんな恩赦にしちゃえなんといったら、それこそ選挙になりませんから、そんなことはありませんから安心をしてください。
○原分科員  ありがとうございます。
 それでは、最後の質問に移らせていただきたいと思います。最後に、司法試験法についてお聞きをしたいと思います。
 現在、先ほど大臣の御答弁にもありましたけれども、司法制度改革審議会が行われています。幾ら司法制度というものを改革しても、そこに至るまでの教育がしっかりしていなければ意味がありません。一九九八年に司法試験法が改正されまして、司法試験の選択科目から行政法が外れました。今、司法による行政のチェック機能ということが問題視されている中で、私はこれは見過ごせない事実であると思います。
 実は、この懸念は、法改正の当時既にありました。そこで、一九九八年の二月の二十四日の閣議決定に先駆け、二月の二十日、自社さの政策調整会議で、行政法は大切なので司法研修所できっちりと教える、こうした約束が行われました。
 その前夜の会議では、自民党の保岡興治代議士、さきがけの武村正義代議士、そして当時最高裁判所人事局長で、現在事務総長をされている堀籠幸男氏と法務省の方がそこの会議で同席をしていました。そこで法務省の方から、二月二十日の三与党政策調整会議の席で、最高裁との調整の上、行政法を司法研修所で全員に学ばせるように努力をすると表明する用意があるという発言があったということを聞いております。
 これは実際その最高裁判所の堀籠事務総長に確かめたいことなのですが、これは政党間のやりとりのことなので大臣にお伺いをしたいと思います。
 当時、社民党から、司法研修所でのカリキュラムを充実すること、そして、今回の改正の影響を正確に把握した上で見直しが必要なら柔軟に対応することの二点の発言がありました。そして自民党からも、運用面 できちんとやるようにという発言がありました。最高裁と法務省はこれを承知した、了承したと当時の関係者から聞いておりますが、この見解でよろしいのでしょうか。
○高村国務大臣  最高裁の方はともかくとして、法務省の方はそういった御趣旨は十分に認識しているところでございます。了解という言葉がぴったりかどうかわかりませんけれども、そういう御趣旨は十分に了解しているところでございます。
○原分科員  自社さのそのときの同意を今の森政権が守るかは別 として、そういうやりとりがあったということは事実ということでよろしいですよね。
 今回これについても、そのときの約束がどうなったかを調べてみました。まさにこの十三年の四月から、その新しいカリキュラムがスタートいたします。充実すると約束したことに対して、実は私はそのカリキュラムを取り寄せたのですが、実情はひどいものだというふうに私は受けとめております。
 行政法が前期には選択講座としてたったの二時間、そして後期の方でもたったの二時間、これも選択科目でたったの二時間というふうにあるだけで、例えば前期も後期もどちらの科目もこの行政法を選択しない人は、裁判官になろうが、弁護士になろうが、検事になろうが、行政法の知識が全くなしでも法曹界に入ることができてしまうというようなカリキュラムだと私は受けとめております。
 このときの約束、そのときにそういうやりとりがあったという約束があったにもかかわらず、約束が守られていない。私は、何か政治の世界にはそういった守られない約束がたくさんあるのかななんて、ちょっとショックを受けております。
 司法試験法の審議の際に、法務省の山崎司法法制調査部長がこういうふうにおっしゃっております。「私どもの認識といたしまして、行政法、労働法、これは大切な法律でございます。それを無視するということではございません。」「司法研修所において、行政法、労働法、それ以外のものももちろん、破産だとか知的財産権とかについての情報提供をするというふうにシフトを変えているわけでございます。」このようにおっしゃっております。
 国会審議で、「大切な法律」、このように言われた行政法も労働法も、この十三年の四月からスタートされるカリキュラムには選択科目にしかならなかったということを大臣はどのようにお考えになっておられるでしょうか。
○高村国務大臣  司法研修所のカリキュラムというのは最高裁判所のもとに置かれた司法研修所で決定されるべき事項ですので、法務大臣が、これはよくないじゃないかとか、いいねとか、そういうことは余り言うべき立場ではない、こう思っています。  法律実務家にとって、行政法等の多様な法的素養を習得することが重要であるということは言うまでもないことであります。そこで、法改正に当たって、基本六法についての確実な基礎を身につけた者を司法研修所に受け入れた上で、このような行政法とかあるいは労働法とか、多様な法的素養を習得させることが必要である、こういうふうに考えました。また、このような司法試験法の改正趣旨を踏まえて、既に平成十一年から、司法研修所の集合研修のカリキュラムにおいて、行政法の学者や行政事件を担当する実務家による講義などが取り入れられていると伺っているわけであります。  選択でいかにも時間が少ないじゃないかという御発言がありました。私、実態を必ずしもよく知らないんですけれども、私の経験からいいますと、司法研修所で行政法も労働法も学んだような記憶がないわけですが、実務界に入っては、やはり基本六法を学んでおくとそれなりに対応できるということは事実だと思います。ただ、それだけでなくて、研修所の中でそういったものを幅広く、幅広くというと物すごく広くなりますから、全部を必ず受けなければならないというのは逆に大変ということもあるかなと思いますが、私、実態をよく知りませんけれども、それなりに工夫してやっているという報告を受けております。
○原分科員  しかし、現在、司法制度改革審議会でもさまざまな議論が行われている中で、司法制度の充実を図るためにも、そこに至るまでの教育の課程というものをやはり重視をしていかなくてはならないことだと私は思います。もちろんさまざまなそういった工夫をなされているということもわかりますけれども、やはり行政法や労働法というのは私はとても大切な、学ぶべきものだと思いますので、その当時社民党が主張した見直しというものを重視していただいて、できるのであればというか、行政法がぜひ司法試験の必須科目となるようにこれからも議論を続けていっていただきたいと思います。
○高村国務大臣  社会の司法に対するニーズというのはいろいろあるわけですが、そういう中で、これからどういうふうにしたらいいのかということを司法制度改革審議会でいろいろ御審議いただいているところであります。
 そういう中で、司法試験をどうするべきかという話もありますし、それから司法研修所でどういうカリキュラムでやるべきかという問題もありますし、もう一つ、当時余り大きな問題として出てきていなかったロースクールという、そこでいろいろ社会のニーズにこたえた実践的な教育をするようなシステム、これは文部省とも話さなきゃならない、政府全体で考えなきゃいけない話ですが、今までの法学部と全然違ったような法律実務家を養成するための高等教育機関をつくっていった方がいいのではないか、そういうような話が出てきております。そういうことをそれぞれ、社会のニーズがどこにあるか、法曹に対してどういうことを要求しているのか、そういったことを踏まえて司法制度改革審議会の中で御審議いただいているもの、そういうふうに承知をしております。
○原分科員  私も、司法というのはとても大切なものだと考えておりますので、ぜひ充実した教育内容等になるようにこれからも積極的に働きかけていきたいと思っております。  どうもありがとうございました。

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