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第151回国会 衆議院環境委員会7号 2001/3/30
○原委員  社会民主党の原陽子です。よろしくお願いをいたします。
 まず冒頭、一つ大臣に確認をさせていただきたいことがあります。それは、先ほどから他の委員からも何回も挙がっている京都議定書に関してなんですが、実は私は、三月の十九日の時点で、京都議定書への米国の態度急変に関する質問主意書を提出させていただいております。その中で「三月十九日の森首相の日米会談で、京都会議議長国の立場で、どのような要請を米国に対して行ったか。」ということをその三月十九日の時点で私は質問主意書として提出したのですが、川口大臣はこの件を森総理とお話しになられておりますでしょうか。
○川口国務大臣  森総理がアメリカに行かれる前に、ブッシュ大統領も大変にお忙しい方なので時間的にかなり制約があるということはわかっておりましたし、そのときに、えひめ丸の事件を初め経済の問題あるいは安全保障の問題、京都議定書の話以外にもお話をしていただかなければいけないさまざまな問題がたくさんあるということもわかっておりましたけれども、私としては、もしも時間が許すようであれば、ブッシュ大統領に総理からこの点についてはぜひ一言お話しをいただけないかというお願いを申し上げました。
 ただ、御案内のように、会談の時間は非常に限られておりまして、それから通訳の方も介在をしますので、実際には話に使える時間というのは半分あるいは半分以下ということになってしまうわけでございまして、経済問題、えひめ丸問題、その他多くの話をしなければいけない課題の中で、議定書以外にも話をなさらなければいけない問題がたくさんあったわけですけれども、全部をお話ししていただくことは時間が許さなかったというふうに承知をいたしております。
○原委員  一応質問主意書として提出をしてありますので、早目にお答えをいただきたいと思います。
 それでは、本日の議題になっております二つの法案について、主にPCB関連の法案についてきょうは質問をさせていただきたいと思います。  ちょっとこれはこの法案には関係ないことかもしれませんが、実はこのPCBの問題を調べていくうちに、私は、先ほどから何度も何度も耳にしているカネミ油症という被害があったということを知りました。そして、この油症という言葉は、世界じゅうどこでもそのユショウで通 じるいわば国際語であるということも調べていくうちに知りました。しかし、世界で初めて食品による高濃度ダイオキシン被害と言われているこのカネミ油症について、実は私が受けてきた教科書にはこういう文言が一言も書かれていなかったということで、私たち世代は本当に、例えば今回のPCBの法案一つ挙げても、このPCBの被害がどんなものかということを知らされないままこうした有害物質をさらに負の遺産として押しつけれられようとしていたのかと思うと、今までの人たちは何をやっていたんだということに非常に怒りを感じる部分があります。
 そして、これは多分、環境省の管轄じゃないからというふうに言われてしまうかもしれませんが、これから日本が環境問題の劣等国だというレッテルを、劣等生だというレッテルを張られないためにも、そして私たちが本当に、国民の立場から環境に対する意識というものを高めていくためにも、やはりこの環境教育といったものの充実を環境大臣の方からもぜひ文部科学省に働きかけていっていただきたいと私は思います。
 それでは、早速質問に移らせていただきます。
 このPCB廃棄物の処理に関しては、三十年以上も、さまざまな議論がなされていながらも、解決をされないで現在残っているということ、これは先ほどからの答弁ややりとりの中で私も聞いております。そして、これはやはり非常に大きな問題であるとも私も思いますし、先ほど小渕委員からも指摘がありましたように、三十年前というのは、私や小渕委員の世代が生まれる前に排出されたそうした有害物質がいまだに残されているということはやはり非常に問題であり、今回この法律を出したということは、PCBのような有害廃棄物を次の世代に押しつけるのではなくて、ここでしっかりと処理をしようというその意気込みを持ってのことだと思いますので、ぜひこの法律を実現可能な内容にしていかなくてはならないと私は強く思っています。
 そこで、まず最初に、これは何回も何回もほかの委員からも御質問があったと思いますが、ぜひお答えをいただきたいと思います。
 今日までPCBの処分場の設置をめぐって三十九カ所候補地が挙がっていたがどれも実現されなかったということ、その最大の理由は何であったのかということをもう一度お答えいただきたいと思います。
○川口国務大臣  委員がお話しになられましたカネミ油症事件という非常に不幸な事件が日本ではございました。三十九カ所というお話がございましたけれども、その後、PCB廃棄物の処理をするための努力がいろいろな形で行われたわけでございますけれども、その施設を設置する場所の地元の住民の方々の御理解、御協力が得られずに、この施設を整備することが結果 的にはできなかった、それでその処理が進まなかったということだと理解をしております。
○原委員  私が期待したとおりのお答えであったのですが、要するに、今まで設置されなかった最大の理由というのが、地元の住民の方々の合意が得られなかったということで間違いはないですよね。
 そうなると、私この法律を読ませていただいたのですが、もし住民合意ができなかったからということであるのであれば、やはりこの法律の中に、住民参加または住民合意という手続や制度が書かれていておかしくないというか、書かれていなくてはならないと思うのですが、私が目を通 した限り、そうした住民参加や住民合意という手続や制度が書かれていたというふうに私の目には映りませんでした。
 そこで、今まで三十年間、長い間PCB廃棄物が放置をされたまま、保管されたままにされてきた、それを適正に処理をしようという気持ちが本当に強くあるのであれば、やはり、まずは住民参加、住民合意というものは必要不可欠であって、この法律を本当に有効なものとして進める上での大前提だというふうに私は考えるのですが、このPCB廃棄物の処理に関しては、この法律の中でどのような住民参加がなされるのでしょうか。具体的にお願いをしたいと思います。
○川口国務大臣  廃棄物処理法という法律におきまして、これは平成九年に改正をされましたときに、最終処分場と焼却施設については、住民の意見を適切に反映させるという観点から、幾つかのことが導入されました。
 それはどういうことかといいますと、一つは、事業者による生活環境影響調査の実施、二番目に、都道府県の知事による申請書等の告示、縦覧、三番目に、都道府県知事による関係住民及び市町村長の意見聴取、四番目に、都道府県知事による専門的知識を有する者の意見聴取ということでございまして、これは都道府県知事が設置を許可するわけでございますけれども、その許可に当たって、周辺の住民の御意見や専門家の意見、生活環境影響調査の結果 などが反映されるような手続が導入をされたわけでございます。
 したがいまして、PCB廃棄物を処理する施設のうち、焼却施設につきましては今申し上げた手続をすべて行うということが必要になります。焼却施設以外のPCB廃棄物を処理する施設につきましては、事業者による生活環境影響調査を実施するということになっております。
○原委員  今の御答弁の中での住民参加のことなんですが、私が聞いている限りでは、調査をしてその結果 を住民に縦覧する、そして、それに対して住民が意見を言うことができるという手続ですよね、簡単に言うと。
 そうすると、やはり書面上のやりとりだけのように私には思えてならないのです。こっちでその結果 を見せて、縦覧をさせて、そしてこっちから意見書が出されてというような書面 上のやりとりだけでは、私は決して住民参加手続とは言えないと思うのですが、大臣はどのように思われますか。
○川口国務大臣  先ほど、平成九年に廃棄物処理法が改正されたときに取り込まれたことを四つ申し上げましたけれども、全部が紙によるものということではございませんで、確かに、申請書等の告示、縦覧というのは書面 によるものですけれども、さらに、都道府県知事による関係住民及び市町村長の意見を聴取するというのがございますし、それから専門的な知識を有する者の意見聴取というのもございます。
○原委員  でも、やはり住民参加が大前提だということで、この法律を実効性のあるものとして、一方的なやりとりではなくて、説明会や公聴会のように、双方向かい合って、フェース・ツー・フェースでやりとりができるような、ぜひそうした住民参加を徹底していっていただきたいと思います。  特にこのPCBに関しては、カネミ油症の被害との関係もありまして、カネミ油症イコールPCBといったようなイメージというか考えが強い中で、私は反対意見が出るのは当然だと思うんですね。反対というか、PCBの処分場を建てることに対して住民が不安だと思うこと、PCBイコールカネミ油症という思いが、そういう考えがある中で、私は非常に困難なことだとは思うんですよ。もしかしたら、最後の最後まで住民の不安の声というのはあるかもしれないと思うんですね。
 けれども、やはりここで、このように法律をつくって、適正に処理をしよう、法律の題名にも書いてありましたよね。「適正な処理」というふうに書いてあるのであれば、やはり適正に住民参加を行い、適正に住民の手続、住民の合意が得られるということをここで大臣にお約束していただきたいというふうに私は思うのですが、いかがでしょうか。
○川口国務大臣  委員が今おっしゃられましたように、過去の経緯にかんがみまして、PCB廃棄物の処理の施設をつくる、その整備するに当たっては、地元の住民の方の協力がなければこれは全くできないことでございます。それができなければ、御協力を得られなければ、先ほど十五年というお話を申しましたけれども、その期間内のPCB廃棄物の処理ができなくなってしまうということでございますから、地元の住民の方に十分に御説明をし、お話を申し上げて御理解をいただき、御協力をいただくというのは、もうこれは必要以上に必要であるということでございますので、その観点で、環境事業団には全力で取り組むように指導をいたしますし、環境省といたしましてもできることをいたしていきたいと思います。
○原委員  大臣も、積極的に住民の意見を聞いて、そして住民参加、住民合意を求めていくということをおっしゃったのですが、私は、できるならこの法律にそういった制度を埋め込むぐらいの気持ちがあってもいいんじゃないかなというふうに思っております。  先ほどから大臣もおっしゃっていますように、今まで要するに三十年間処理が進まなかった理由、三十九カ所設置、失敗してしまった理由、その一番の大きな理由は、やはり住民の、または自治体の協力が得られなかったことであるというのは、もうわかり切っていることなわけです。それなので、住民合意を得ていくために必要なものの一つとして、情報公開というのが非常にやはり大切になってくると私は思います。
 そのことに絡みまして、四月の一日から情報公開法が施行をされます。そして特殊法人、私、これが多分環境事業団に当たると思うんですが、特殊法人に関する情報公開法も施行されると聞いていますが、この特殊法人に関する情報公開法というのはいつ施行になるのでしょうか。
○川口国務大臣  委員おっしゃられましたように環境事業団は特殊法人でございますけれども、特殊法人の情報公開ということで、これは三月十六日に閣議決定をされまして国会に提出をさせていただいたところでございまして、これが成立いたしますと、公布の日から一年以内に施行をされるということになっておりまして、環境事業団もその対象になります
○原委員  そうしますと、PCBの措置法は成立すれば一カ月後に施行になりますよね。そして、特殊法人に関する情報公開法は一年以内に施行されるということになりますと、幾らかタイムラグが生じてしまうと思うんですが、私のその考え方でよろしいでしょうか。
○川口国務大臣  これは、それぞれの法律がいつ成立をするかということによりますので、恐らくタイムラグが生ずることになる可能性があると思います。
○原委員  それでは、もし、この特殊法人に関する情報公開法が施行される前に、情報公開というか、情報を欲しいと住民が要請した場合に、環境事業団が情報を公開しない場合というのも考えられると思うのですが、どうでしょうか。
○川口国務大臣  まず一般論といたしまして、情報公開というのはこれからの社会にとって非常に重要なことだと私は思っております。ということで、情報公開はできるだけするようにということを、これは政府の中、環境省の中につきましては言っております。  といいますのは、政府の中で、情報公開法が四月一日から施行になりますけれども、その過程で、ある条件、例えば個人の情報にかかわること、それから交渉中の外交案件ですとか幾つかのことについては情報公開をしないことができる、これはその結果 として、人権あるいはその交渉に悪い影響を与えるということからですが、ということになっておりますけれども、私としては、環境省は極力情報は公開すべきだというふうに思っております。  それで、この環境事業団が、法律が施行する前にいろいろな情報についてお問い合わせがあったというときの対応ですけれども、現在既に環境事業団は、そのホームページを通 じて、財務の情報その他、できるだけ、かなりの情報の公開をいたしておりますし、そのほかの情報につきましては、お問い合わせがあったときに、そういった情報公開をすることについての是非を議論いたした後で情報公開をさせていただくということになるかと思います。
○原委員  大臣が情報公開に関して非常に積極的な姿勢をお持ちであるということは私もうれしく思っております。それなので、ぜひ環境省として、直轄である環境事業団に、この特殊法人に関する情報公開法が施行されるまでのタイムラグの間は積極的に情報公開をするよう厳しく指導をしていただきたいなというふうに思います。  私、今回この情報公開になぜこだわるかということなんですが、もちろん一つは住民参加、住民合意を得るために必要であるというのと、あと、PCBというのは三十年間、長い間保管をされていますよね。そして保管をされたまま、野ざらしになったままのPCBの中には、何か化学的な変化を起こしてしまって、変化したダイオキシンが含まれているのではないかというような不安の声が私の耳には届いております。それなので、もうどんなことが起こっているかわからない、一〇〇%純粋なPCBとは限らないという不安の声も届いております。  そうしたPCBに関する不安の声というのは大臣の耳に届いておりますでしょうか。
○川口国務大臣  私は、個別にこの問題についてどなたかと議論をして、今原委員がおっしゃったような御意見を伺ったという経験はございませんけれども、現在、タウン・ミーティングということを、環境省が発足をいたしました一月以降あちこちで開催をさせていただきまして、それぞれの地域で何百人かの方々と、公募をして参加いただいている方々とさまざまな環境についてのお話をさせていただいております。
 その際に、廃棄物一般について、その安全と安心についての御疑念あるいは御質問というのはよくいただきます。
○原委員  それでは、今現在保管されているPCBの中身の分析というのを環境省でなさったことはありますか。
○川口国務大臣  現在保管されているPCBは、民間の保管をする事業者がみずからの責任において保管をしていただいているわけでございまして、環境省として、その保管をしているものについて、その中身の分析ということはいたしておりません。
○原委員  それでしたら、そうした不安の声もありますので、分析可能な限りというか、ぜひその分析を私はするべきだというふうに思います。
 その処理技術の中で、例えば一〇〇%PCBであるならば可能な処理技術だったとしても、例えばそこにいろいろな物質が、ダイオキシン類のようなものがまざっていたり、何か化学的な変化を起こして、もし何か中身が変わって、変化してしまっていたのであれば、その処理技術というのが正しく処理をされないというようなことも起こり得ると思いますので、ぜひそうした中身の分析というものも私は積極的に行っていただきたいと思います。そして、そうした分析等々を行った結果 というものもしっかりと情報公開として流していただきたい。
 いろいろな不安がたくさんあると思うんです。例えば土壌の汚染の不安とか、あと、今挙げられた処理技術の不安とか、本当にさまざまな不安がある中で、それを一つ一つやはり丁寧に解消をしていく。そして、そういった不安を一つ一つ取り除いていく中でPCBは私は適正に処理をされるのではないかというふうに思います。
 最後に一つちょっとお聞きをしたいのですが、先ほどからPCB、保管をされている、保管をされているという、保管という言葉が何度か聞かれていますが、どのように保管をされていると大臣は思われておりますか。
○川口国務大臣  これは、保管をしている事業者が、国のつくる基準、例えば地下に、汚染物質が地下水に浸透しないとか、そういうふうな基準を決めていますけれども、それに従って適正に保存をしているというふうに考えております。
○原委員  その適正な保管というのは、大臣はどのようにイメージなさっていますか、保管されているという、その保管といった状態を。それは大臣の個人的なイメージでいいんですけれども。
○川口国務大臣  私は余り想像力が豊かでないものですから、どういう状況で保管をされているかというイメージを余り持つことはございませんけれども、適正に保管をされているというふうに思っております。
 それから、ある事業所に参りましたときには、その事業所において、どういうふうにそれが保管されているかということを見たことはございます。
○原委員  俗に保管と言われている、今保管という言葉で言われていますが、私はこれは野ざらしにされていると思うのですが、実は私ここに、実際に現在こういう状態で、済みません、見えませんか、こういう状態でPCBが俗に保管されているというふうに言われているのですが、私は、何かこれは保管というよりかは、私のイメージではこれは野ざらしだというふうに受けとめています。
 それなので、私はぜひ、保管という名前で野ざらしになっているPCBを見に、大臣に一度そういう場所に足を運んでいただきたいなというふうに思っていますし、やはりそこで直接PCBの、今現在そばで生活をなさっている住民の方々のお話を直接聞くような機会等々も、もちろん大臣はお忙しいとは思いますが、時間の可能な限りで自分の目で直接確かめていただきたいと思いますし、誘ってくれれば私も喜んで大臣と一緒にこういったものをしっかりと自分の目で見に行きたいと思っておりますが、どうでしょうか。
○川口国務大臣  原委員のような方といろいろ現場を見るということができれば非常にいいとは思っておりますけれども、日程その他いろいろございまして、なかなか今自由にならないということですけれども……。
 そのお見せになられた写真につきましては電力会社で、非常に大量のトランス等を持っておりますので、この保管について、外にあるのを全部屋根の下に入れるということは難しいというふうに聞いております。ただ、それはコンテナの中に、容器の中に入っておりまして、PCBが外にむき出しに保管されているわけではございません。
 それで、容器が腐食をするではないかというふうにお考えになられるかもしれませんけれども、それはその電力会社が容器の状況をチェックしておりまして、腐食をしてきたら入れかえるという作業をしているというふうに理解をしております。
○原委員  時間が参りましたので質問を終わらせていただきますが、ぜひこのPCB、ここに「適正な処理」と書かれています。本当に適正に処理されるように、そしてこの法律が、本当に住民合意という形を得ることができて適正に運用されるように、環境省としても、そして大臣としても積極的に働きかけていただきたいと思いますし、本当に、三十年前、私たち世代が生まれる前につくられたものを私たちが背負っていく、こうした思いをやはり次の世代にさせたくないという気持ちを持って協力をして、積極的にこの法律を進めていっていただきたい。私も一緒に頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。ありがとうございました。
○五島委員長  次回は、来る四月三日火曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。


                         午後三時四十六分散会

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