| 第153国会 環境委員会2号 2001年10月26日 |
| ○原陽子 |
○原委員 社会民主党の原陽子です。最後になりましたが、よろしくお願いをいたします。 まず最初に、京都議定書のことについてお聞きをしたいと思います。 大臣は、一番最初の委員会のときの発言の中で、「二〇〇二年までに京都議定書を締結できるよう、締結に必要な国内制度の構築に総力を挙げて取り組んでまいります。」というふうにおっしゃっていましたが、その京都議定書を二〇〇二年中に発効するために来年の通常国会で国内法を整備していくという方針に間違いはないかということ、これは大臣と副大臣の両方にまず確認をしたいと思います。
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| ○風間副大臣 |
○ 現在、中央環境審議会で京都議定書の目標を達成するための国内制度のあり方を議論されているわけでありまして、何度も何度も、大臣も、また総理もおっしゃっておりますけれども、京都議定書の二〇〇二年発効を目指して、そして同時に、国内対策をきちっとやるんですということを、日本として総力でそれに立ち向かっていくということはもう間違いないわけであります。 今お話のあった国内制度を構築するということと法律をつくるということの関連は、今の段階で、私は、直ちにそれが法律になる、ならないというふうには言えないと思っております。つまり、中環審で議論しているわけで、審議しているわけですから、締結に必要な制度の具体的な内容はまだ定まっておりませんし、今後、その審議結果を見た上で具体的な制度のあり方を明らかにしていくという意味で国内制度の構築と、こういうふうに話させていただいたわけであります。
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| ○川口国務大臣 |
○ 京都議定書の二〇〇二年の発効を目指しまして、COP7におきまして合意を目指して最大限の努力をいたします。
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| ○原陽子 |
○私は、この大臣の発言というか方針に間違いがないというふうに受けとめさせていただきたいと思っております。 その中で、地球温暖化対策推進法を改正していく動きがあるというふうに聞いておりますが、この改正の中で最大の課題は、今、経団連などが自主的に行っている事業者の対策を義務化していくことだというふうに私は思っております。 経団連自身が今月発表した「第四回経団連環境自主行動計画フォローアップ結果について」、大変立派な名前だなと思うんですが、これによれば、一九九〇年度で見た場合、このフォローアップに参加をした三十六業種が日本全体で排出するCO2は四二・七%に相当する、産業部門とエネルギー転換部門全体の排出量からすると七六・七%を占めているというふうに書かれております。その中で、事業者自身の責任が重大であるということを事業者みずからが理解しているというふうに思われます。 環境省は、この推進法の改正点の一つに事業者の対策の義務化を考えている、今この事業者のところが、努力するということになっているところを義務化していくというふうに考えていると先日説明を受けました。 それで、今このように経団連などが自主的に取り組んでいる対策と、今回、その法改正、法の整備というものをどのように関連づけて行っていくのかということをお伺いしたいというふうに思います。
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| ○炭谷政府参考人 |
○先ほど来御説明をいたしておりますように、現在、中央環境審議会の国内制度小委員会におきまして、事業者の対策をどのようにしたらいいかということについて御議論をいただいております。それによりまして、京都議定書の目標を達成するための必要な国内制度のあり方について、幅広い見地から総合的に現在審議をいただいているところでございます。 経団連の自主行動計画につきましては、先ほど原先生から御披露がございましたように、自主的な取り組みとして非常に積極的に推し進めるということで評価される一方、その信頼性、透明性、実効性という面で一層の確保が必要ではないかという議論が中環審の中でなされております。 環境省といたしましては、これらの審議結果を踏まえながら、京都議定書の目標を達成するための国内制度の構築について引き続き力を注いでまいりたいというふうに思っております。
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| ○原陽子 |
○そのようにお願いしたいと思います。やはり、自主的に頑張っていらっしゃるこの頑張りと国内法の整備というものをうまく関連づけていっていただきたいというふうにお願いをします。 あとは、たしか午前中にあった議論だったと思うのですが、事業者自身は、オイルショック以降一生懸命対策に取り組んできた、けれども、民生、運輸部門は努力が足りないというようなことが午前中に議論の中にあったと思います。具体的な数値も述べられていたと思うのですが、一九九〇年度からの比率で見ると、運輸部門が二三%、そして民生部門が一七%というふうに、確かに数値だけの伸び率で見ますと伸び率としては高いことは高いんですが、しかし、運輸とか民生の部門にも事業者が関与しているという点が抜け落ちているというふうに私は思っております。 そこで、お聞きをしたいのですが、日本の自動車の保有台数のうち、トラックやバスが占める割合は四分の一だそうです。また、七割を占めているのがいわゆる乗用車と言われるものですが、その乗用車のうち、企業が配達や営業に使う、ビジネスユースとして使われている乗用車がどれくらいあるかということと、同時に、民生部門についてもなんですが、民生部門には、家庭で使われる、家庭から排出されるということだけではなくて、銀行やデパートなどの業務部門が排出するCO2も含まれているということなのですが、民生部門の中でも業務部門の割合はどれくらいになるかということをお答えください。
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| ○炭谷政府参考人 |
○確かに、今御指摘になられましたように、私ども、産業部門は横ばいというふうな説明をこれまでしてまいったわけでございますけれども、運輸また民生の中には当然事業者が使う部分があるという面についてやはり注目していかなければいけないというのは、御指摘のとおりだろうと思います。 そこで、運輸と言われているものの中にどれだけ事業者が使っているものがあるのかということを見てまいりますと、まず、貨物自動車からのものが一九九九年で三四%ございます。そのほか、営業用の乗用車、これは二%、バスが二%。純粋にいわば自家用の乗用車、この中には事業者が使われるものも入っているのじゃないかなというふうに思いますけれども、その内訳はございません。これが六二%というふうになっておりますので、いわば運輸部門の中にも事業者も使われる部分があるということでございます。 また、民生部門につきましても、家庭部門、業務部門とこれは分類されておりまして、ちょうど約半分ずつで、民生につきまして、業務部門が一九九九年で四八%、家庭の部門が五二%ということになっているわけでございます。
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| ○原陽子 |
○前半の運輸部門のところなんですが、自家用車の中で業務に使われているものの割合というのは出ていない、わからないということでよろしいのですか。
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| ○炭谷政府参考人 |
○私どもの持っている資料では、そこまでの分類というものがないようでございます。実際、自動車を登録したりする際のはっきりした分類というものがなされておらないようでございます。 ただ、いずれにしろ、大変重要な点だろうと思いますので、私ども、何か手がかりはないかという面では、さらに調査をさせていただきたいと思います。
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| ○原陽子 |
○ これは私が聞いた話なんですけれども、いわゆる乗用車の中でも、営業とかビジネスユースに使われているものは七から八割くらいあるという話を聞いたことがあります。これは私も聞いた話なんですけれども、あります。 今、民生部門についても数値がありましたが、大体半分近くがやはり事業者が絡んでいますよね。ですから、先ほど午前中にあった議論の中に、事業者は、自分たちは一生懸命頑張っている、民生と運輸部門はもっとしっかりやりなさいというような議論だったと思うのですが、そうではなくて、運輸や民生の部門にもやはり事業者とか企業の責任の範囲というのは幅広く及んでいるということをぜひ忘れるべきではない、忘れないでいただきたいというふうに思っております。 産業界からいろいろな意見もあるというようなことを午前中からずっと議論なされていたと思います。議論の中には、今の経済状況に配慮をして、経済界に配慮をしてこの法整備を進めていくべきではないかというようなこともありましたが、私はあえて、経済界からのいろいろな声にめげずに、京都議定書の発効を目指して法改正をしていっていただきたいということを強く要望させていただきたいというふうに思います。 次の質問に移ります。 次は、公害健康被害補償不服審査会、大変長い名前なんですが、これについてお伺いをしたいと思います。 この審査会は、自分が水俣やぜんそくの公害被害者であると思う人が公害認定を求めたのですが、都道府県に却下された患者が不服を訴え、それを審査する機関だそうです。 これは水俣病に限ってでよろしいのですが、その審査会が、水俣病についての不服申し立てを受けて裁決するまでにかかる平均年数というものはどれくらいか、お答えをください。
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| ○岩尾政府参考人 |
○水俣病認定に関する不服申し立ての裁決件数ですが、平成三年度から平成十三年度まで九十件あります。裁決に要した一件当たりの平均所要期間は約十年と承知しております。
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| ○原陽子 |
○十年というふうに今お答えをいただいたのですが、公害健康被害補償法は、単なる行政不服審査とは違って、不服を申し立てる人というのは、やはり何らかの症状を持って、公害患者としての認定を望んで、そして、認定しないという結果について、でも、自分はこれだけ体のぐあいが悪いのだということで、不服だから審査会に訴える。ですから、通常の行政不服申し立て以上に迅速な処理がもちろん求められていると思いますし、この法律の「目的」にも、「迅速かつ公正な保護及び健康の確保を図ることを目的とする。」とはっきりと書かれております。 十年かかると、例えば、二十で訴えた人が三十歳、六十歳で訴えた方は七十歳になってしまうわけですね、認定されるときには。私は、これは決して法律の目的の迅速ということに合っていないというふうに思うのですが、迅速に処理できない理由、または、迅速にできない問題というのは何かというふうにお考えでしょうか。
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| ○岩尾政府参考人 |
○ 公害健康被害に係る不服審査に当たっては、処分を受けた者及び処分をした行政庁の双方の提出書面を精査し、これら関係者の出席のもとに現地で審理を行うなど、慎重な手続を経る必要があるため、一件当たりの審査業務が膨大になります。 これに加え、水俣病については、認定申請者の高齢化などによって判断の難しい案件がふえていること、平成七年の政治解決前に生じてしまった被処分者と処分庁の間の不信感などから、審理のための円滑な協力が得られにくい案件があることなどの事情で、裁決に至るまでに相当の期間を要する事案があるものと承知しております。
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| ○原陽子 |
○続けて質問をします。 審査請求が受理されると、処分庁である都道府県から弁明書が提出されることになっていますが、環境省からいただいた資料の中には、それが提出されないケースがあるというふうに書いてありました。つまり、行政側の原因で処理がなかなか進まない場合があるわけです。 都道府県からの弁明がなく、そして、不服申し立てが通り患者が認定されたケースというのは今までありますでしょうか。
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| ○岩尾政府参考人 |
○審査会の審査に当たりましては、処分庁の判断理由等を明確にする必要から、行政不服審査法に基づいて、処分庁からの弁明書の提出を求めるとしております。したがって、弁明書の提出がない事案を裁決した例はないと聞いております。
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| ○原陽子 |
○ 何か、いろいろ質問をしていくうちに、この不服審査会は本当に機能しているのかなというような疑問を持ちながら、続けて質問をさせていただきます。 処分庁から弁明書が提出されると、今度は不服申立人から反論書が提出されます。不服申立人から反論書が出ないことで審査が滞ることもあるという説明も受けました。 処分庁からの弁明書というのはとても法的な文書です。だからこそ、この審査会には、医学の専門家の方のほかにも法律の専門家の方もいらっしゃいます。患者さんも、自分の症状を正確に書いてくれるお医者さんや弁護士がいなければ、なかなか法的な反論書というものは書けないのではないかと思います。 先ほども、患者の方が高齢化なさっているというふうな御答弁がありましたが、要するに、高齢で体のぐあいも悪くてなかなか反論書も書けないと、患者さんは三重の苦しみにあえいでいるかもしれません。そのせいで審査が滞るのであれば、例えば訴訟扶助制度のような仕組みというものを検討していくというようなお考えはおありでしょうか。
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| ○岩尾政府参考人 |
○公健法に基づきます不服審査請求では、審査請求人は、代理人に反論書の作成を委任したり、代理人その他の補佐人とともに口頭審理に出席することが認められております。また、実際にもそのような代理人、補佐人を活用されるケースが多いと承知しております。
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| ○原陽子 |
○では次に、委員の構成のことについてもお聞きをしたいと思います。 現在、この審査会には六人の委員の方がいらっしゃって、四人が常勤で二人が非常勤です。専門分野でいえば、三人が医学、三人が法律の専門家ということになっています。このような不服審査の目的というものは、公害被害者かどうかの認定を却下された事案に対する、非常に微妙で、非常に医学的に専門的な知識が要る審査だというふうに説明も受けましたし、とても医学的なものだというふうにも説明に来られた方がおっしゃっていました。 現在ここで認定される患者の種類というものは、水俣かぜんそくかどちらかということになっているそうです。この法律の目的にのっとって迅速に処理をするためには、私は、水俣かぜんそく、どちらかの治療経験があるお医者さんなり専門家が必要だというふうに思っていますが、審査委員の六人中医学の専門家の方は三人です。その三人のうちに、水俣とぜんそくの治療経験のあるお医者さんはいらっしゃるか、お答えください。
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| ○岩尾政府参考人 |
○審査会の委員六名中三名が医師でありますが、このうちの二人は臨床経験がおありで、一名はメチル水銀中毒など重金属の専門家でございます。もう一名は小児科、内科でぜんそく等の呼吸器疾患に造詣の深い方と聞いております。また、残りの一名は公衆衛生の専門家で、公害行政の経験もお持ちの方でございます。
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| ○原陽子 |
○水俣病に限って見ると、この六人の審査委員で、平成十二年度です、たった三件しか処理をされていません。水俣病の未処理数は、実は四十九件も未処理の数がある、たまっているそうです。私は、法律の趣旨から考えて、この処理件数は余りにも低過ぎるというふうに思います。六人審査委員がいて、十二年度ですよ、水俣病はたった三件しか処理をされていないわけです。やはり、体のぐあいが悪くて本当に迅速にこれは処理をしていかなくちゃいけない、対処をしていかなくてはいけない問題の中で、なぜ処理が迅速に進まないかということをぜひ徹底的に調査をしていただきたいというふうにも思います。 例えば、人事が悪ければ人事をかえるとか、事務局体制が悪ければそれを改革するとか、あと、先ほど、患者のサポート体制ということも幾つかおっしゃっていましたが、もっとサポートが必要であればその改革をしていくなど、私は、いずれにしても、余りにも未処理件数と処理件数、未処理件数がこんなに大きくて、処理件数が余りにも少ないということに非常に驚きましたので、ぜひ、なぜ迅速に進まないかということを徹底的に調査をしていただきたいというふうに思いますし、できれば、その調査結果を私は環境委員会にも報告をしていただきたいというふうにも思うのですが、どうでしょう、委員長。
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| ○大石委員長 |
○ 委員長は答えることができませんで、どなたに御質問されるか、決めてください。(発言する者あり)
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| ○原陽子 |
○それでは、大臣に、本当に命にかかわる問題だというふうに思いますので。
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| ○岩尾政府参考人 |
○公害健康被害補償不服審査会は、公健法上の審査請求を処理する機関でございまして、委員は独立して職務を行うとされております。個々の案件はそれぞれ難しい問題を含んでいるというふうに考えております。 おっしゃった趣旨、公健法の趣旨も踏まえまして、できる限り迅速な審査を行うということが望まれますので、私ども事務局でございますので、御指摘の点につきましては、その旨を審査会に伝えたいというふうに考えております。
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| ○原陽子 |
○先ほども申し上げましたが、本当に人の命にかかわる案件だというふうに思いますので、ぜひ、なぜ迅速に進まないかということを徹底調査して、そして、なるたけこの法律の趣旨に合ったものになるようにしていただきたいというふうに思います。 もう一つ、地域指定の解除というものについてお尋ねをいたします。 これは大気汚染の方なのですが、昭和六十二年にこの法律の改正が行われて、大気汚染地域である第一種地域のすべてである四十一地域が指定解除されたというふうに説明を受けました。その地域指定が解除されたので、今は新しい患者の認定は行っていないそうです。しかし、厚生労働省からもらった資料を見ますと、ぜんそくの患者さんというのは減ってはいないですよね。やはり年々ふえております。 例えば、平成二年には八十五万人近くだったのが、平成十一年には百万人。とにかく、公害患者は、この地域解除をしたということで新しい患者認定はしていないということで、あたかも公害患者が減ったような認識なのかなというふうに受けとめるのですが、決してぜんそく患者というものは減ってはいません。名古屋や尼崎の公害訴訟の判決等々も出ておりますので、私は、今、政府として改めてこの道路公害というものを目的としたというか、その道路公害による地域指定というものを検討していただきたいなというふうに思うのですが、いかがお考えでしょうか。
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| ○西野大臣政務官 |
公健法で指定をされました第一種地域につきましては、昭和六十一年に中央公害対策審議会の答申で明確に言われておりまして、それは、現在の我が国の大気汚染は、ぜんそく等の疾病の主たる原因をなすものとは考えられないという見解が示されました。それを受けて、地域指定の解除を昭和六十三年三月に行ったところでございます。 環境省といたしましては、この大気汚染と健康の影響という問題につきまして、今後ともこの調査を進めていく必要があるというふうに思っておりますが、要するに大気汚染とぜんそくは、有症率で見ますと、有意な相関関係が認められない、こういうことが答申をされておるわけでございます。とはいえ、その後ぜんそく患者が多いことも承知をいたしておるところでございまして、そのことが大気汚染とのかかわりにどうあるのかということも、関係の省庁とも連絡をとりながら、あるいはその患者さん等と周辺の人たちの健康相談、診断等々も行いながら、十二分に対処していきたいというふうに思っております。
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| ○原陽子 |
○ありがとうございます。 それでは、最後の質問に移りたいと思います。 がらりと話題は変わるのですが、先日、環境省は、「日本の里地里山の調査・分析について」という中間報告をまとめられて発表をされました。このことについて質問をしたいと思います。 この報告書の中で、里地里山は国土の四割を占め、そこに日本における絶滅危惧種が半分以上生息していることがわかったというふうに報告をされております。私は、これは大きな発見だというふうにも思いますし、その地道な調査とか分析を環境保護団体や活動団体と一緒に行ったことを私は大きく評価をしたいというふうに思っています。 ただ、この中間報告の結果というものは非常に危機的な状況を示しております。なぜかなという原因を考えたときに、その一つは、自然環境を守るべき法律が純粋にそうなっていないからではないかというふうに思いました。 公害対策基本法には、生活環境保全は経済発展と両立する範囲で行うという趣旨の、いわゆる経済調和条項があったというふうに聞いています。しかし、この経済調和条項は、一九七〇年の反公害世論の高まりで、公害国会において削除されたというふうに聞いています。これは私の生まれる前の話ですが、そういうことだそうです。ところが、自然公園法とか自然環境保全法、そして絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律には、いまだに経済調和条項が存在しています。例えば、財産権の尊重及び他の公益との調整といったような感じで、まだ経済調和条項が存在をしています。 生物やその生息地をどう保全するかということは、民有地とのぶつかり合いだというふうに言われております。しかし、現在では何かメダカさえも絶滅危惧種だというふうに指定されている時代に、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の中に所有権や財産権の尊重ということが書かれていて本当にいいのかどうかということです。どうすれば生息域が守れるかという議論がもっともっと必要ではないかというふうに思います。 これは実は前置きなんですが、環境省、今年度末を目指して生物多様性国家戦略の見直しが行われるというふうに聞いております。今回の里地里山の調査結果を踏まえて、より実効性のある国家戦略が策定されるというふうに私は理解しておりますし、そのように期待もしております。前回の国家戦略は、環境保護団体からは、各省庁が好き放題書いた施策を切って張っただけだと、非常に厳しい評価を得ているそうです。 例えば、前回の国家戦略の中の第六節のところだったと思います。多分これはその当時の建設省が書いたのではないかなというふうに思うのですが、文章が長いので全部は読みませんが、その「砂浜の保全」のところを見ますと、要するに、砂浜が、海岸が侵食されていくことが問題であるというふうに書いていまして、その原因を明らかにしていくというようなことが書いてあるのです。 一般的には、海岸が侵食されていく、砂浜が侵食されていく理由というのは、建設省がつくるダムが原因だというふうに言われています。そうなんだけれども、こういったところの文章では、海岸が侵食されていくのが問題だとしか書いていなくて、それは実は、山とかにつくられたダムのせいで山から砂が供給されなかったからというようなことは書いてないわけですよね、こういうところに、その原因は何かということを。 ですから私は、今回はこういうような文章ではなくて、今回、生物多様性国家戦略の見直しが行われる中で、ぜひ環境省が主導権を握って、生態系をどう守っていくかという視点でつくっていただきたいというふうにも思っていますし、せっかく里地里山の調査で、本当にこれはすばらしい調査というか、大発見だったと私は思いますので、こうした調査の分析とかを生かすためにも、ぜひ環境省主導でこの戦略の見直しを行うということを私は今ここで大臣に約束をしていただきたいのですが、いかがでしょうか。
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| ○川口国務大臣 |
里地里山などの生態系の保全を含む生物多様性国家戦略の策定に当たりまして、環境省にエールを送っていただいたことに感謝を申し上げます。 この新しい生物多様性国家戦略は、先日、十月の十日に中央環境審議会に対して諮問をいたしたばかりでございまして、今年度末を目途に見直す予定でおります。 今後、審議会で議論をしていただきまして、それから関係各省、国民、NGOの幅広い意見を踏まえまして、当然パブリックコメントにも出すことになると思いますけれども、環境省といたしましては、里地里山の重要性、それから具体的にどう取り組んでいって保全をしていくかということについて、その方向につきまして積極的に盛り込んでいきたいというふうに考えております。応援をしていただきたいと思います。
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| ○原陽子 |
大臣の積極的な御答弁、非常に私もうれしく思いますし、ぜひこうした調査、または自然を守っていくということで頑張っていただきたいというふうに思います。 最後に、済みません、大臣に一つお願いがあります。 おとといなんですが、私は熊本県の川辺川ダムの予定地に視察に行って、現地の方々からいろいろなお話を聞いてきました。この川辺川ダムの事業というのは、昭和四十年代に始まった事業で、いわゆる法アセスというものは行われていません。 しかし地元の、現地の方々からのお話の中で、この地域には七つのクマタカが生息していて、日本で三例目という大変珍しい目の退化したナミハグモ、私、ちょっとどんなものか見たことがないのですが、それが日本で三例目というので、非常に珍しいのだと思います。それが確認されるなど、二千七百十一種類の豊かな生物相を持つといった本当に自然環境豊かな場所です。私も現地に行って、本当に山奥のすごく自然のあふれるいい場所だなというふうにも思いました。 国会には、地元の市民団体などから、十五万人の署名を集めて、環境アセスの実施を求めて請願を行います。それなので、私もおととい川辺川ダムに行ってきたということもありますし、ここでやはり公共事業を見直すということも必要になってくる時代でもあると思います。ですので私は、川口大臣からぜひ、扇千景国土交通大臣に環境アセスメントを行うようにお願いをしていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いをします。 何かお答えをいただけますか。
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| ○川口国務大臣 |
○これは、委員おっしゃられましたように、かなり前に、委員が生まれる前に始まった話でございまして、そういう意味では、法的なアセスの制度のもとでアセスが行われたということではございませんけれども、事業者が環境保全という観点からはきちんと調査を行っているというふうに私どもは認識をいたしております。
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| ○原陽子 |
○でも大臣、やはり今本当に、二十一世紀になって、環境とか自然の保全とか、そういうことを新たにまた考え直すべき時期だというふうに思いますので、多分、扇大臣ともお話をする機会があるかと思いますので、ぜひ扇大臣に法環境アセスメントをやってくださいと、やりなさいというふうにお願いをしていただきたいと思います。よろしくお願いします。 最後に要望して終わります。ありがとうございました。
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