| 2003年4月16日 国土交通委員会-16号(住宅金融公庫法一部改正) |
| ○原委員 |
社会民主党の原陽子です。よろしくお願いします。
まず、ずっとこの間の議論を聞いてまいりまして、やはり、今回の法改正がなぜこのタイミングで出てきたのかということがはっきりわからないというか、どの改革をなさりたいのかということがいま一つ明確ではないのではないかというふうに私個人は感じております。午前中の参考人質疑の中にも、今回、先行七法人としてこの法改正が出てきた理由は特にない、経済的とか合理的根拠は特にないと考えているというような参考人の方からのお話があったりしました。
今回のこの提案が、特殊法人の改革なのか、政府関係金融機関の改革なのか、または財政投融資の改革なのか、どの改革なのか。また、どれかの改革でなければ小泉内閣の改革にはならなく、何も変わらないということになってしまっていると思います。
その点で、まず一点目、国土交通省にお伺いをしたい点なんですが、果たして今回のこの提案、どの改革として考えておられるのか、それとも、特殊法人の整理合理化計画に組み込まれたから、とりあえず漠然と出してこられているのか、まず、出だしのところの御説明をいただきたいと思います。
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| ○松野政府参考人 |
お答えいたします。
住宅金融公庫につきましては、平成十三年十二月に閣議決定されました特殊法人等整理合理化計画におきまして、今行っております直接融資業務については、平成十四年度から段階的に縮小するとともに、利子補給を前提としないことを原則とする。また、民間金融機関による長期固定金利の住宅ローンの供給を支援する証券化支援事業については公庫が先行的に行うとともに、五年以内に公庫を廃止し、当該事業、つまり、証券化支援事業を行う新たな独立行政法人を設置する。その際、民間金融機関が円滑に業務を実施しているかどうかを勘案して、融資業務の取り扱い、つまり、今の直接融資業務の取り扱いを最終決定するということとされました。
これを受けまして、平成十四年度から段階的に縮小を図ってきております。また、あわせて、利子補給を前提としない金利体系に改めてきております。
また、今回の法改正によりまして、公庫の業務に証券化支援事業を追加するということを行いますが、あわせて改正法の附則の中で、平成十九年三月三十一日までに、整理合理化計画に定められましたとおり、公庫を廃止して新たな独立行政法人を設立するために必要な法的措置を講ずる、これは二段階になるということではございます。
このように、一連の、附則まで含めて今回の改革を考えますと、組織改革、それから財政改革、財政投融資改革、それぞれ関連する内容を含んでいると考えているところでございまして、引き続き、こういった観点から着実に公庫改革に取り組んでまいりたいと考えております。
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| ○原委員 |
今、それぞれの改革に関連があるという御答弁だったので、ちょっと細かくお聞きをしたいと思います。
まず、組織改革という点から何をするのかということ、特殊法人改革の観点から何をするのかということをお聞きしたいんですが、これは行く行くは新しくできる独立行政法人になっていくわけです。今ある住宅金融公庫の役員の一覧の名簿を事前にいただきましたら、やはり天下りの方がいらっしゃいまして、きょう参考人で来ていらっしゃる方の中にも天下りの方がいらっしゃるわけですが、この新しくできる独立行政法人に関しては、国土交通省やほかの省庁から天下りはさせないというか、天下りをしないというようなお考えを改革という観点からお持ちであるかどうか、御答弁をお願いします。
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| ○松野政府参考人 |
組織改革という観点からは、まずは、住宅金融公庫が廃止をされて独立行政法人という組織にかわるということがございます。融資業務につきましては段階的に縮小するということ。それから、これまで財投機関債というものも発行しております。こういったノウハウを活用すること。それから、既に民間金融機関との間でシステムを構築しております、こういったものを最大限活用しながら、既存の組織、人員をフルに活用するということで、新たな業務を開始するといって組織を肥大化させるようなことを考えているわけではございません。
また一方、特殊法人等整理合理化計画におきまして設立するとされております証券化支援業務を行う独立行政法人は、弾力的かつ効率的な業務運営を行う必要があるということでございます。それに加えまして、その業務は、関係省庁との円滑な連携が必要でございます、かつ、公的な性格を有するなどの特殊性もございます。したがいまして、役員は、高い能力、識見及び経験を有し、当該法人の業務の着実な遂行に当たることができる者であるということが求められると考えております。
いわゆる天下り問題に関する国民の問題意識の高まりを踏まえまして、特殊法人等整理合理化計画の中におきましても、独立行政法人は、役員について、退職公務員及び独立行政法人の退職者の状況を公表する旨決定されたところでございます。そういった意味で、広く国民のチェックを受けるということになっております。
国土交通省といたしましても、この趣旨を踏まえつつ、適材適所という観点で、幅広い分野から法人の役員としてふさわしい人材を求めていくという考えでございます。
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| ○原委員 |
そうしましたら、今度は財政投融資改革という点から、国土交通省にもう一点御質問させていただきます。
この観点から、現在の借り入れは減っていくのか、また、減らしていくのであれば、どのように現在の借り入れているものを減らしていくのかということの御説明をお願いします。
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| ○松野政府参考人 |
年間三千数百億円を補給金という形で一般会計から支払われている状態が今の公庫の状態でございますが、これは、何度も申し上げておりますが、かつて高金利時代に、低金利で国民の皆さんに住宅ローンを供給するということから低利融資をした。その結果として、公庫が返済する高金利と国民の方々から返ってくる金利の逆ざや、これが今も残っているということから一般会計をいただいているということでございまして、決して、公庫が漫然と赤字経営をしたそのツケを今いただいているというわけではございません。これは、政策的なそうした判断の結果としての義務的経費を国費で相償っている、支出しているということでございます。
これは、各年度の戻ってくる資金と、返すべき財投資金への返済とのいわばギャップを埋めるという形で計算されます。したがいまして、低金利で順調に推移すれば、何年か後には解消していくという性格のものでございます。ただし、各年度でどのぐらいの公庫の新規需要があるかとか、そういった状況によって結果として計算が出てまいりますので、いつごろ明確にゼロになるということは、まだはっきりしたことは申し上げられない状況でございます。
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| ○原委員 |
次に、きょう、財務省さんと金融庁にも来ていただいているんですが、今回は、政府全体として、政府関係金融機関が占めていた市場を民間銀行に開放していくという方向を目指しているのだと思います。その場合、開放された市場を民間の今ある銀行は受けとめる実力があるのかどうかという点で、政府関係金融機関も今は補助金や財投なしではやっていけないのと同じように、民間銀行も、資本増強や破綻処理の名目で公的資金を注入されている状態にあります。
まず金融庁にお聞きをしたいのですが、金融庁として、民間銀行をこれからどのような方向に導いていこうとしているのか御答弁をいただきたいんですが、現在、民間金融機関が公的資金を注入された総額は、何年からで幾らかという点も加えて、まず御説明をいただきたいと思います。
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| ○五味政府参考人 |
まず、公的資金のお話でございますが、預金者保護のために金銭贈与がなされました金額が、平成四年度から平成十四年度まで、合計で十八・七兆円。次に、破綻金融機関からの資産の買い取りでございますが、これが同じく六・四兆円。そして資本増強、これが同じく十・四兆円となっております。
どのような方向に民間金融機関を導くのかというお話でございますが、現在、民間金融機関は不良債権の処理に全力を挙げておりますが、こうした不良債権処理の原資を賄うためにも収益性の高い経営を目指す必要があるということでございまして、新しいビジネスモデルを開発すべく、いろいろな努力をしております。
民間金融機関におきましては、例えば、今話題になっております住宅ローンにつきまして、これは収益性の高い分野であるというふうに位置づけまして、既に積極的な取り組みを行っております。長期固定ローンの提供など、顧客ニーズに合った商品開発ということが着々となされておりまして、こうした意味で、開放された市場を受けとめる実力というのは、現在の日本の民間金融機関に十分備わっているというふうに考えられます。
そこで、こうした民間金融機関を金融庁としてどのような方向に導くのかというお尋ねでございますが、金融庁といたしましては、今申し上げましたように、銀行が、それぞれの経営判断に基づいて適切なリスク管理を行いながら、顧客のさまざまなニーズに合致した商品というのを設計し、さらに提供していく、こういうことが非常に重要だと考えております。
そのために、さまざまな経済主体間に立って資金仲介機能を担うという非常に重要な役割を担っております銀行部門の健全性というものを強化していく、これが非常に重要だと考えております。こうした健全性の強化によりまして、より強固な金融システムを構築していく、こうした方向で行政を行っております。
このような観点を踏まえまして、昨年十月三十日に、平成十六年度に不良債権問題を終結させるという目標の達成に向けて、金融再生プログラムを取りまとめたところでございます。金融庁といたしましては、今後とも引き続きこのプログラムを着実に実施してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
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| ○原委員 |
続きまして財務省にお伺いをしたいんですが、財務省としては、政府関係金融機関についてどのような方向を目指していくのか、どう健全性というものを取り戻していこうとお考えになられているのか、お尋ねをいたします。
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| ○村瀬政府参考人 |
お答えいたします。
政府系金融機関全体の改革につきましては、御案内のとおり、一昨年十二月の特殊法人等整理合理化計画におきまして、中長期的な財政支出の縮減、効率化の視点あるいは財政投融資改革との関連等も踏まえまして、民にできることは民にゆだねるという原則のもとに規模の縮減等の事業見直しを行うこととされまして、また、公的金融の対象分野あるいは規模、組織の見直しを行うために、経済財政諮問会議において検討を開始するということになったわけでございます。
これを受けまして、同会議におきまして一年間議論されまして、昨年の十二月に、現在大変厳しい経済金融情勢であるということを踏まえました三段階の改革の道筋と、今後の政策金融のあるべき姿というものが示されたところでございます。
政府といたしましては、この諮問会議の結論を踏まえまして、経済情勢を見きわめつつさらに検討を進めるということと同時に、先ほど出てまいりました整理合理化計画の着実な実行等の措置を講ずることといたしております。
そんな中で、財務省といたしましても、政策金融につきましては、官民の適切な役割分担のもとに、効率性の向上、透明性の確保あるいはリスク管理の徹底ということなどを図っていくことが必要であるというふうに考えております。
十五年度予算におきましても、例えば、前年度に二百二十億円の予算を計上しておりました、国民生活金融公庫の赤字を補てんするいわゆる収支差補給金を全廃するといったような、一つの例でございますが、そういった見直し措置を講じているところでございまして、今後とも、政府系金融機関の改革に適切に対応していきたいというふうに考えております。
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| ○原委員 |
それでは、最後に国土交通省にお伺いしたいんです。
国土交通省は、主務省庁として、こうした大きな改革の構図の中で、この住宅金融公庫の改革をどうとらえているのかという点、あと残された課題は何であるかという点も含めての御説明をいただきたいと思います。
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| ○松野政府参考人 |
財政投融資改革という観点から現在の考え方はどうかということでございますが、財政投融資改革の観点から、財政融資資金のみに依存しないという意味で、公庫の直接融資の原資を証券化市場から調達するということで、財投機関債というのを既に発行しております。累積八千五百億円に上ります。こうしたことを既に実施しているということ。
それからさらに、今回の法改正によりまして、証券化支援事業によって民間のローンを買い取り、それを証券化市場で資金調達するということで、一般的な長期固定のローンを、だんだん資金調達の方向を変えていくというようなことで財政投融資改革を進めていくということでございます。
また、今後の残された課題はどうかということでございますが、もちろん、今回提案させていただいております証券化支援事業がうまく機能するということが最大の当面の課題でございます。それとあわせて、五年経過した時点での独立行政法人設置の際に、どういう民間のローンが、特に長期固定のローンがどういう状況になっているかということを見て、また、政策的課題がそれで果たせるのかどうかということを見て独立行政法人の業務のあり方を判断するということが課題として残っているというふうに思います。
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| ○原委員 |
ありがとうございます。
今回、小泉改革の中でいう先行七法人の中ではこれが初めての金融機関であり、この最初の法改正は、大切な意味というか、重要な意味を持ってくると私は思っております。
廃止することに関しては、私は廃止すべきではないという考えを持っているのですが、とにかく初めての金融機関の改革になっていくわけです。先ほど、残された課題も何点か挙げていただいたんですが、大切な意味を持っているという意味では、今後も慎重に議論をぜひ進めていっていただきたいということを最後に要望させていただいて、質問を終わります。ありがとうございました。
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| 河合委員長 |
次回は、来る十八日金曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 |