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2003年05月16日 国土交通委員会-21号(成田国際空港株式会社法)
○原委員 社会民主党の原陽子です。
 本日は、本当に貴重な質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、まず冒頭に大臣に、これは民営化の大きな意味での御質問を一つさせていただきたいと思います。
 成田空港が民営化されると、国際競争力のある自立的な運営ができ、利用者の利便を向上させることができるということを言われておられますが、民営化された場合のメリット、デメリットというものをまず教えていただければと思います。
○扇国務大臣
 原議員も午前中から、総裁がお出ましになって、民営化された場合にはこうなる、自分たちはこうするということを総裁自身の口からお聞きになったと思います。私は、それがすべてだと思います。
彼らの意識というものが、彼らというのは公団、今の公団でございます、総裁がおっしゃったように、自分たちも含めた職員の意識というものがまず変わってきた。そういう意味では、私はこれは大変なメリットだと思います。
 もともとそうあるべきだったんですけれども、どうしても親方日の丸的な、そういう意味では、総裁がおっしゃったように、自分たちの意識自体ももう既にここで御答弁に立たれたように変わってきた、また職員自体ももう変わりつつある。認識をまた自覚して責任の重さを感じているということが、私は本当に、今までもそうでなきゃいけなかったんですけれども、こういう事態になって改めて意識改革が起こってきたということ自体が大変なメリットだと思っております。また、そうでなければ、これは特殊法人を民営化するということも、私は意味がないと思います。
 そういう意味では、まず民営化というものが先にある、その途上で、今お話が出ておりますように、成田という名前をつけたと私申し上げました。これも、今回は新東京国際空港公団を解散して、成田国際空港株式会社というんですから、成田という名前をつけるということによって、先ほども大森議員に申し上げましたけれども、地元の十の市長さん、町長さんも意識が変わってきた。成田という名前がついたら、自分たちにも責任がある、そういう地元の共存共栄という意味でも、地元の認識もまた変わってきたということも大きなことだろうと思います。
 また、民営化に向かって、先ほどから言われております、世界一高いと言われる九十万を超えるこの着陸料というものも国際的に少しでも自分たちで安くしよう、そういう努力もうんと働く。それは責任感が伴うということで働くわけでございますので、そういう意味では、私は大変大きなメリットがあると思っております。
 ただ、私は、デメリットと心配しましたことは、何かがあった、危機管理、そういうときには、民営化で、民営化になって、少なくとも自分たちは民間なんだから国に指図されることはないよというようなときには、危機管理という面では大変不安が残るというので、その点をきちんと国と、新たな民営化、株式会社になります成田国際株式会社に対してもきちんと連携をとっていこう、そういう危機管理の不安をないようにしようと思っているのが、一番大きなデメリットといいますか、要注意事項だと私は思っています。
○原委員 ありがとうございます。
 つまり、民営化されるということは、もうけ主義ということになってくると思うんです。大臣も先ほど言われた危機管理のところの心配という話で、もう二、三点私が心配している事項があるので、それについてもちょっとお伺いしたいんです。
 つまり、もうけ主義というものが優先されてしまうと、超過密な運航や環境破壊、空港関係労働者のリストラによる労働強化と、安全点検の合理化による安全軽視につながるのではないかというような不安の声も聞かれたりしていますので、こうした心配につながることはないのかどうかということを大臣にお伺いしたいと思います。
○扇国務大臣 原議員も飛行機にお乗りになるのでお感じになると思いますけれども、空港行政で一番大事なことは安全性でございます。ですから、今、原議員がおっしゃるように、利益を求める、そのために過密になり、そして安全性が脅かされる、これは一番信用を落とすことです。これでは国際空港たり得るものが、まず第一資格失格でございます。そういう意味では、空港行政の第一要諦は安全性である、しかも信用性である。そのためには、今おっしゃった利益誘導型ということで、ただ利益の追求のために安全性を第二次的なものにするということはまず成田の信用を落とす、それでは自分で自分の首をくくるようなものであると私は言えると思います。
 ただ、そういう意味では、先ほど申しましたように、今回の法案によりましても書いてありますように、事業計画の認可でありますとか、あるいは空港株式会社に対する監督命令等、あらゆるものに対しましての規制をある程度設けているのは、これはもう国際的なものとしてやむを得ない事態だと思っていますので、この規制というもの。また、空港株式会社が安全性の確保を、少なくとも適切な安全性を図った運用をしていく、そういうことに対しては、最低限、しかも安全性の面では最大限の指導監督を我々も今後していこうと思っておりますので、今おっしゃった御心配は当たらないと思っております。
○原委員 もちろん、安全性、信頼性というものは一番大切なところだと思っていますし、これからやはり国際化の中で、国際的にもこれからの空港整備というものは、大臣も力を入れて午前中からの答弁でもおっしゃっているように、私も大切なところというか重要なことになってくると思います。
 こうした国際競争の強化や、あと安全性とか信頼性というものが非常に高く求められているというのであれば、そうした空港政策の中で、本当に民営化というものがふさわしいのかということをちょっと思っていて、国際競争力とか安全性とか信用性ということであれば、逆に、国がみずから整備をしていくという方法も今までどおりあるのではないかと思うのですが、この点、本当に民営化がこれからの日本の国の航空政策としてふさわしいのかどうかということを大臣に質問させていただきたいと思います。
○扇国務大臣 今でも私はかなり努力しているとは思っておりますけれども、やはりどこかに親方日の丸的な意識がなきにしもあらずというのは、何かありますときに連携の悪さ、そういうものも私はあろうと思います。
 そして、成田へいらしたらよくおわかりになりますように、どこで何を聞いたらいいのか、インフォメーションと書いてありますけれども、インフォメーションに行くまでが既にわからない、そういうこともあるわけですね。ですから、そういうことでは、民営化されたら、国鉄が民営化されてうんと親切になったり、うんとわかりやすくなったのと同じように、特に国際空港ですから、いろいろな言語をしゃべる人があります。けれども、それが今回は民営化されることによって、民間の能力、民間のノウハウ、そういうものを取り入れたより利便性の高い空港になることによって、私は、利用者へのサービスというものがうんと今まで以上に向上するであろう、そう思います。
 それともう一つは、経営の合理化、これは民間に近づくということで、民間は今、世の中、御存じのとおり、原議員の同期生もきっとリストラに遭う人も就職できない人もいらっしゃると思います。そういう意味では、世間の、民間のリストラ等々経営の厳しさ、そういうものにさらされるわけですから、よりコストダウンを図って経営の合理化を図ろうということを、私はみずからするんではないかと思います。
 そういう意味で、自動的にコストダウンを図ったり、また経営の合理化とともに明確化、これが世間にはっきりと目に見えるようになる、それは私は大きなことだと思っていますので、ぜひこの利用者のサービスの向上、経営の合理化と経営の明確化、こういうものが明らかにされるということで、今回の法案でも、ただ、一点、先ほど申しましたように、事業計画の認可とかあるいは空港会社に対する監督命令、そういうものだけはある程度国が責任を果たさなきゃいけないということで、経営の効率化に対しても、利用者の負担軽減を含みます利便性の向上が図られるなど、民営化のメリットを入れながらも、安全性と産業に対する指導というもの。
 なぜかといいますと、CIQ一つとってみても、成田空港そのもの自体が民営化されても、CIQなんかはみんな各省庁が出張っていますね。そういう意味で、CIQなんかはみんな連携していかなきゃいけません。空港自体は民営化されても、その中で行うCIQ一つとってみても省庁が出張っておりますので、そういう意味では、より連携をとって、今申しました効率化あるいはサービス、そして経営の明確化、そういうものがより鮮明になってくると思っています。
○原委員 ありがとうございます。
 サービスの向上ということだったんですが、今回、経営の効率化に役立つ新たなサービスも幅広くできるようにしたいということで、例えば、役立つ新たなサービスというものは、具体的にどのような事業を今のところお考えになられているか、御答弁をお願いします。
○扇国務大臣 これは、私が答えるのはおこがましいと思いまして、さっきいらしておりました公団の総裁がどういう計画を持っていらっしゃるかというのを、私が自分の要望で、こういうふうにしてほしいと言うことは、きっとおこがましいことなんだろう。私よりも、もっと大きな意味での民営化、民間の活力というものを入れるべきだと思います。
 例えば、私からの要望として、飛行機に乗らなくても、成田へ行って、子供と一緒にお食事もいただいたり、夜景も見ながら飛行機の離発着を子供に見せる、子供を連れて成田に遊びに行こう、そして、夏は成田へ散歩に行って夕涼みがてら飛行機の発着を見ようというような、一般の人が飛行機に乗るためにだけ成田へ行くんじゃなくて、空港自体そのものが、私、ターミナルビルというものは、それだけの魅力があるべきだと思います。
 ただ、残念ながら、成田というのは羽田のように港が見えませんからね。内陸にありますから、見晴らしは余りいいとは思いません、ただ飛行機が離発着するだけのを見るんですから。羽田なんというのは、空港とレインボーブリッジは見える、海ほたるは見えるというので、もう本当に楽しくて、デートスポットにもなっていますけれどもね。
 みんなが、乗るだけではなくて空港に行って楽しみたい、楽しむべき施設がある、そういうような魅力ある空港になるということが、よりサービス向上に役に立つ、乗るだけの空港ではない、みんなが利用できる、楽しめる、私はそういう空港になってほしいという思いでございます。
○原委員 同じ質問なんですが、これは航空局長に、具体的にどのような事業を考えているかということで、大臣の答弁以外に、何かこんな事業を考えているというものがあれば、よろしくお願いします。
○洞政府参考人 新規事業の中身というのはケース・バイ・ケースであると考えてございますけれども、現時点において具体的に想定されている事業といたしましては、例えば、ターミナルビル内において売店等の直営店を経営するというようなことを具体的に考えていらっしゃるというようなことを聞いてございます。
 それで、こういう新規事業の展開を通じて非航空系収入を、先ほど総裁は今三割が非航空系収入だとおっしゃいましたが、ヨーロッパとかはこれが七割、六割にまで達しているというような状況もございまして、三割というのは余りにも低過ぎる状況でございます。だから、いろいろ多面的な知恵を工夫しながら、この非航空系収入を増大させていくということが求められているわけでございます。
○原委員 ありがとうございます。ちょっと、無理なときに質問してしまったかなと思うんですが。
 そうしたメリット、新規事業のサービスをしていく中で、大臣がおっしゃっているような、夢のある空港でしたっけ、そのような運営に本当になっていけるのかどうかという疑問は一方で持ちつつ、思いは私自身も受けとめさせていただきたいと思っております。
 民営化していくとすると、先ほどもサービスの向上や経営の合理化、明確化ということがありましたが、つまり、採算というものが大きな問題になってくる、課題になってくると思っています。
 公団は空港の警備に年間百億を支払っているという報道があると思いますが、警備に百億というのは、とても巨大な額だと思っています。
 例えば、新会社となって、新会社の経営に問題が生じた場合に、会社の裁量権と、国土交通省の監督や是正についての権限というものは、どのような関係として位置づけられて対応していくのかということを答弁をお願いします。
○扇国務大臣 今、空港警備に百億はすごいお金だと原議員はおっしゃいました。これは、空港の安全性のためにというか、使っている百億です。伊丹空港は、周辺整備機構で周辺に、空港に何の利益もありませんけれども、周辺の皆さん方に年間約百億払っています。それでも高いと思いますか。
○洞政府参考人 今般の空港公団の民営化は、繰り返しになりますが、経営を効率化して収益を増大しようというインセンティブを持たせるなど、国際競争力のある自立的な経営主体を確立しようというものでございます。
 したがいまして、空港会社の業務運営に当たりましては、できる限りその自主性を尊重していくことが基本でございますけれども、片一方で、空港会社の業務の公共性の高さというものにかんがみますれば、空港会社の業務全般にわたって仮に不適切な業務運営があった場合には所要の改善措置を講ずることができるよう、国の意思を反映させるための仕組みとして、いろいろな事業計画の認可であるとか監督命令等の制度を設けて、その辺のところをきちっと管理監督していくという仕組みにしているところでございます。
○原委員 百億という数字を出したのは、お金というのはやはり使い方によるとは思うんですけれども、例えば、民間の会社で警備に百億を出しているとなると、何か、倒産しちゃうんじゃないか、倒産しないのが倒産してしまうんではないかという疑問を持ったので、今の段階で百億使っているのが民間の新会社になった場合でも大丈夫なのかというか、本当にそれで会社として倒産しないでやっていけるのかというところの疑問があったので、先ほど御質問をさせていただいたということであります。
 最後に、附則の十条のところに書かれているもので、幾つかお伺いをしたい点があります。
 本四架橋の場合と今回の新国際空港公団の民営化では、対応が異なっていると思います。本四の方では政府が長期債務の返還を分担する。成田空港では、新会社出資を分担し、株式は全額無償で政府に譲渡されるというふうになっています。この対応の違いについての理由または背景というものを、まずお伺いをしたいと思います。
○洞政府参考人 本四公団につきましては、平成十三年度の収支状況が管理費を上回る収入があるものの、利払いが非常に大きく、当期損失金が六百五十億円発生しており、損失金の累計である欠損金は、一兆一千億円に達しているということを聞いております。
 また、平成十三年度の交通量というのが、平成九年度の償還計画における計画の交通量の六八%しか達していないというようなこと等から、一刻も早く財務状況の改善を図って、ほうっておくと国民負担がどんどん膨らんでいくわけでございますから、将来における国民負担の膨張を避けるとともに、本四架橋としての自立的な経営を可能とするために、本四架橋公団の有利子債務の一部を切り離して、国の道路特定財源による早期処理を行うこととしたと聞いてございます。
 一方で、新東京国際空港公団につきましては、新会社が公団の債務をすべて承継しても自立的経営が可能でございます。ちゃんと期間内にこの借金を返済できるというめどが立っております。民営化は可能であると判断したものでございまして、本四公団の取り扱いと新東京国際空港公団の取り扱いとは、そういう意味で異なったものとなったものでございます。
○原委員 それで、公団の今の長期借入の残高というものが平成十三年度末で五千七百六十六億円あるということで、これは新会社が引き受けるということで、その新しくできた会社が独自で清算していくということなのでしょうか。
○洞政府参考人 十三年度末で新東京国際空港公団の長期借入残高は五千七百六十六億円でございます。これは新会社がその全額を承継して、償還していくということになります。
○原委員 では、もう一問航空局長にお伺いしたいんですけれども、附則の第十条で政府が保有することになる株は、どのような判断で、いつごろをめどに上場するのか、政府出資との関係はどう理解をしていけばいいのかということを御説明お願いします。
○洞政府参考人 政府出資はこれまで三千億円に上ってございます。新会社の設立に当たりましては、他の会社等の事例等々を見ながら、会社の経営状況等をにらみながら適切な資本金の額を設定する必要がございまして、その残りにつきましては、無利子貸し付けとして国庫に返納してもらう予定としてございます。
 また、株式の上場の時期につきましては、平行滑走路の二千五百メーター化の実現のめど、あるいは空港会社のその当時の経営の状況、株式市況の状況等を総合的に勘案して検討していく必要がございまして、現段階では未定でございます。
○原委員 次に、政府が得る株式の売却利益というものは、国のどの会計に入って、どういう目的で支出されるかということをお伺いしたいんですが、政府が取得する株式は、政令の中で、一般会計または空港整備特別会計に帰属するとあります。
 この成田空港の場合、株式の売却で得た利益がほかの空港整備に回っていくようなことになっていくのかどうか、それとも成田空港のための利便性の向上に使われていくようになるのかどうかということをお願いします。
○洞政府参考人 成田公団に対します出資は、一割が一般会計、そして九割が空港整備特別会計から出資されてございます。したがいまして、空港会社の株式は、原則的にはこの割合に応じまして、一般会計または空港整備特別会計に帰属して、株式を売却して得られる収入は、それぞれ株式が帰属していた一般会計ないし空港整備特別会計に帰属することとなります。
 空港整備特別会計に入りました収入は、これは空港整備特別会計の中で、例えば大都市圏拠点空港整備のための財源に充てられる等、それぞれの資金需要がある分野で活用されることになると考えております。
○原委員 ありがとうございました。
 きょうは本当に質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。これで終わります。

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 mail : h06101@shugiin.go.jp
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