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2003年05月28日 国土交通委員会-26号(川辺川ダム問題)
○原委員

社会民主党の原陽子です。よろしくお願いします。

 私も、先ほどの大森議員に引き続きまして、川辺川ダムのことについて何点か、重なる部分もあると思いますが、御質問させていただきたいと思います。

 先ほど、河川局長さんとのやりとりを聞いていて、農水省の判断を見てこれから決めていくということであったので、私の方からは総合政策局の方に、何点か事実の確認だけをさせていただきたいと思います。

 今回、福岡の高裁で出た川辺川利水裁判判決に対して、先ほどもありましたけれども、農水大臣は、上告をしないとして、農業用水確保のための必要な整備を進めるということを、当然のことながらその見直しというものを記者会見の中で表明しております。

 まず最初に、事業認定申請書の中から確認をさせていただきたいんですけれども、これは旧建設省の時代です。旧建設省の建設経済局は、平成十二年十二月の二十六日に、土地収用法に基づいて川辺川ダムの事業認定を行いましたが、事業認定申請書、つまり、これが土地収用法の第十八条二項一号に基づく事業計画書で、起業者から提出された利水事業に関して、この事業計画書の中ではどのように書かれていたのかという点を、まず総合政策局に確認させていただきたいと思います。
○三沢政府参考人

川辺川ダムの事業計画におきましては、洪水調節計画、流水の正常な機能の維持それから利水計画、この三つが記述されております。そのうち、利水計画として、かんがい用水計画及び発電計画の二点が示されております。

 そのうち、かんがい用水計画につきましては、熊本県人吉市及び二町四村において農林水産省が国営川辺川土地改良事業を進めており、当該事業が完成すればかんがい用水の供給が可能となり、その結果、農作物の増産等、農業所得の増加や農業経営の安定化が図られる等の内容が書かれております。
○原委員 

こちらにも同じもの、これはコピーなんですけれども、建設省の方が出している事業計画書の中の利水計画のかんがい用水計画の部分があるので、今読んでいただいたんですけれども、割愛されておられた部分もあったので、私の方からも読み上げさせていただきたいと思います。

 「農林水産省が既存農地及び造成農地からなる約三千十ヘクタールの農地について、畑地かんがいや水田の用水補給を目的とした揚水機場や幹線水路等の新設及び農地の規模拡大と集団化を図るための農地造成と区画整理を総合的に実施する「国営川辺川土地改良事業」を進めており、本事業が完成すれば、」云々というふうに書かれていると思うんです。

 今の文言のところでさらに確認をさせていただきたいんですけれども、今私が読み上げた事業計画書の中で言っている「畑地かんがいや水田の用水補給を目的とした揚水機場や幹線水路等の新設」というのが、今回の判決で言われている「農業用用排水事業」を指していて、この事業計画書の中で言われている「区画整理」というものが、判決の中で言われている「区画整理事業」を指しているということで間違いはないでしょうか。

○三沢政府参考人  事業計画書の中に「畑地かんがいや水田の用水補給を目的とした揚水機場や幹線水路等の新設」とあるのは「農業用用排水事業」を指し、同様に、「区画整理」とあるのは「区画整理事業」を指すというふうに考えております。
○原委員 ということは、今回は、この両方が法定要件を満たさずに違法と判決をされたという認識で間違いはないでしょうか。
○三沢政府参考人

今回の判決におきまして、農業用用排水事業及び区画整理事業の二つについて、計画変更の同意要件が満たされず、手続上違法という判断があったというふうに認識しております。

○原委員

そして、この判決を受けて農水大臣からは、上訴を取り下げて、農業用水確保のために必要な整備を進めていくと。つまり、認定された事業の農水省に係る部分の見直しを表明しているというふうに私は認識をしているのですが、その点、総合政策局としての現在の認識はどのようなものになっていますでしょうか。(扇国務大臣「農水省に聞けば」と呼ぶ)

○三沢政府参考人 これは農水大臣の方から談話が発表されておりまして、その談話が出されたということは承知しております。
○原委員

大臣の方から、農水省に聞くべきだということがあったんですけれども、しかし、今回の事業認定計画というものは、まあ旧建設省なんですが、国土交通省が今はこの事業の認定省となっているわけなので、この辺、事業を認定した省庁としての事実の確認をさせていただいているということで、質問は続けさせていただきたいと思います。

 今回、違法と判決をされたということは、つまり、この当時事業認定したのとは違う事業が進められていることになると言えると思います。利水事業が今回争われるようになったことの背景には、単に同意した方の数が三分の二に達しなかったという問題だけではなくて、計画変更をきっかけに自分も事業からおりたいと言っていた農家の人をおろさせなくて、無理やり判こを押させたために、七十七名もの死者というか、亡くなっておられる方が判こを押すような結果があったというようなことも聞いています。

 今回、国営事業として見直すということを農水大臣はおっしゃっているので、つまり、今ある計画を見直すということは、もっと小さいものにしていくのではないかというふうに私は思っているのです。

 三千ヘクタール以上のものが国営事業の要件ということになっているそうなんですけれども、この数値は間違いはないか、ちょっと総合政策局に確認させていただきたいんですけれども、おわかりになりますでしょうか。つまり、国営事業になるためには三千ヘクタール以上の事業のものを国営事業の要件というふうにしているそうなんですが、いいですか、確認させていただいて。
○中條政府参考人

今、国営事業の要件についてお尋ねでございますが、水田を対象としたものにつきましては、かんがい排水事業は三千ヘクタールが採択要件になっておりますし、畑地かんがいを対象としていますものは一千ヘクタールがその対象となっております。

○原委員

つまり、今認定されているものが三千十ヘクタールで事業認定を出されていて、これから見直していくだろうということになると、縮小されていくだろうと考えると三千ヘクタールよりももっと小さくなるのではないか、そうすると国営事業として成り立たないのではないかというようなことも考えられると思います。

 いずれにせよ、見直しはしなくてはならないときが来る、見直しをしていくという考えでおられるのであるならば、一般論としてで結構なんですけれども、これも総合政策局長に聞きたいんです。

 今三千十ヘクタールと非常にぎりぎりのところで、もしかしたら、国営事業になるために、三千ヘクタールを超えるために無理やり判こを押させるようなことをさせたんじゃないかというような声も聞かれたりしていますが、もし、その見直しをしていく中で、三千ヘクタールを超えないと国営事業として成り立たないということになった場合に、事業の認定庁としてとる態度の中に、私は、事業認定の取り消しというものが当然含まれてもおかしくないと思うのですが、その点はいかがお考えでしょうか。
○三沢政府参考人

一般論でというお話でございますので一般論で申し上げますと、事業認定処分を行った後に事業計画に関する事情の変更が生じた場合、これは、まずは起業者において事業計画を変更する必要があるかどうかというのを判断することになります。

 なお、法律上、土地収用法上、事業認定後に認定庁が認定を取り消すという旨の規定はございません。
○原委員

済みません、最後のところ、ちょっと聞き取れなかったので、もう一回お願いします。

○三沢政府参考人

土地収用法上、事業認定後に事業認定庁が認定を取り消すという旨の規定はございません。

○原委員

では、その土地収用法についてお尋ねをさせていただきたいんですけれども、現在、平成十二年十二月時点での事業認定に基づいて熊本県の収用委員会が審理を行っていますが、その事業認定の中身に今回違法とされる事業が含まれておるわけで、そして、その事業を所管する農水省が見直しするということを公言している場合に、収用委員会が行使できる権限とか選択肢というものにはどのようなものがあるでしょうか。

○三沢政府参考人 

今回の判決を受けて、起業者の方では、農林水産省の今後の利水計画を見きわめながら具体的な対応を検討されるものと考えておりますが、収用委員会の審理をどう進めていくかということにつきましては、これは収用委員会の審理指揮にゆだねられております。

 したがいまして、具体的には、収用委員会は起業者に対して今後の具体的な対応について説明を求めるとともに、当然、起業者の方でも、必要に応じ資料を提出する等の説明責任を果たしていくべきものというふうに考えております。
○原委員 

例えば収用委員会の方から、審理の中止とか事業認定庁への差し戻しとか事業認定の取り消しの勧告というものもできるというか、収用委員会が行使できる権限とか選択肢の中に含まれているかどうかという点を教えていただきたいと思います。

○三沢政府参考人

これについて、法律の仕組みがどうなっているかということを御説明させていただきたいと思います。

 事業認定の告示後、起業者が当初の事業計画を変更する場合に、収用委員会は、起業者から事業計画変更の申し出があった場合に、その事業計画の変更の内容について説明を聴取した上で、事業計画の変更が軽微なものと判断した場合には、変更された事業計画に基づき審理を進めていくことになります。

 それから、仮に収用委員会が、事業認定を受けた当初の事業計画と変更された事業計画との間に著しい差異を判断した場合には、収用委員会は収用裁決申請を却下しなければならないというのが法律の規定でございます。
○原委員

ありがとうございます。

 そうしましたら、次に、農水省にも来ていただいているので農水省にお尋ねをしたいんですけれども、今回の川辺川利水裁判の判決の中で裁判所が認めた農業用用排水事業、区画整理事業、農地造成事業の同意者数にカウントされている農家の方が所有する事業の面積の総計というものは数値として持っていらっしゃいますでしょうか。
○中條政府参考人  国営の川辺川土地改良事業につきましては、受益農地一筆ごとの現況の地目、面積、所有者、耕作者、これについては把握をしております。そしてまた、それを個々の受益農家ごとに集計したものもございます。しかしながら、今御指摘の事業につきましては、それを同意者ごとに、同意者としてまとめて集計したものは用意してございません。
○原委員

今、地目と面積と何を把握なさっているとおっしゃいましたか。

○中條政府参考人 

今申しましたのは、現況の地目、面積、所有者、それから、往々にしまして所有者と耕作者が違う場合もございますので、耕作者、以上でございます。

○原委員   そうすると、面積も把握なさっているわけですね。
○中條政府参考人

まず、一筆ごとの農地ごとに今申し上げた情報を収集しまして、今度それを受益農家ごとにまた集計し直しまして、そうしたものは持っております。ですが、御質問のありました、そのうち同意者についての集計したものは持っておりません。

○原委員

しかし、面積の数値もちゃんと持っていらっしゃるということは、足し算をしていけばすぐに出てくることだと思うので、ぜひその総計というものを出していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

○中條政府参考人

御指摘のとおり、集計は可能でございますので、集計したいと思います。

○原委員 

ぜひその面積の集計をしていただきたいと思っていますし、今回、国営事業の要件を満たす三千十ヘクタールの土地で事業認定されているんですけれども、見直しをしていく、そして、今回、その七十七名の亡くなられた方の判こもあったとかいうこともあるので、もう一度面積の計算というものをしっかりとしていただきたいと思います。

 いつぐらいまでならそうした計算というものは可能なのでしょうか。
○中條政府参考人

受益者の方が相当数おられますので、相当時間を要するものと思います。まずは集計に入りたいと思いますので、先が見えましたら、具体的にいつごろまでということが言えるような時期が来ましたら、また御報告したいと思います。

○原委員

ぜひ、なるべく早目にちゃんとした数値というものを出していただきたいと思います。

 先ほども大森議員からもありましたけれども、私もぜひ、今回の川辺川のこの判決に関しては、農水省のこれからの態度を見て判断していくという答弁がずっと続いていたとは思うんですけれども、しかし、やはりその事業を認定している国土交通省としてもしっかりと主体となって考えていっていただきたいと思っていますので、ぜひ大臣も、昔は反対だったけれども賛成に回った地元の方に直接会われてお話を聞いたということもおっしゃっていましたが、知事さんとも会って、そして、今でもダムは要らないんじゃないかという思いを持って反対なさっている方たちともお話を聞いたりしていただきたいと思います。やはりどこかでだれかが判断をしなくてはいけない問題だと私は思っていますので、ぜひ、事業を認定した庁としての責任というものも感じていただきたいと思います。

 話題は全然がらりと変わってしまうのですが、前回審議をしていた都市再生機構について、法案の質疑は終わったんですけれども、その後もちょっと気になって見ていたら、気になる点があったので質問させていただきたいと思います。

 都市再生機構についてなんですが、平成十三年の六月に、財務省の税政制度等審議会に設けられた公企業会計部会公企業会計小委員会というところが特殊法人等に係る行政コスト計算書作成指針というものを定めて、十七特殊法人に対し、販売目的で所有する不動産も含めて、民間企業会計方式の財務諸表を作成し、開示するようにという方針を平成十三年末の時点で出しています。

 これは都市基盤整備公団も入っているんですけれども、この指針で都市基盤整備公団も民間企業並みの財務諸表を作成しているのではないでしょうかという疑問を持っているんですが、この点、いかがでしょうか。
○河崎政府参考人

 財務諸表についてのお尋ねでございますが、都市再生機構に関連する都市公団並びに地域公団の財務諸表につきましては、やはり公式なものといたしましては、公企業会計ベースのものでございます。

 しかし、その上で、御指摘の、平成十三年六月に示された財政制度等審議会の小委員会におきます特殊法人等に係る行政コスト計算書作成指針についてでございますが、これは、特殊法人等について、民間企業として活動を行っていると仮定した場合の財務書類を作成することにより、最新の企業会計原則の統一的な適用を試みようとするものであるということでございます。

 それで、この指針に基づきまして、実は財務省から御要請がございまして、他の特殊法人も同様でございますけれども、都市基盤整備公団と地域公団につきましては、平成十二年度決算から、企業会計原則を試行的に導入いたしました行政コスト計算書を作成しております。したがって、これまで、平成十二年度決算、十三年度決算につきまして作成をされております。

 この行政コスト計算書の中では、特に資産の評価の点に御興味がおありのようであると考えておりますが、一般の企業と同じように、販売用の不動産につきまして、取得時の価格が大幅に下落をした場合、これを強制的に評価減をするということを行うものが内容でございます。

 以上でございます。

○原委員 

そうしますと、五月十四日の独立行政法人都市再生機構の審議の中で、販売用不動産についてはこれまでは取得原価で計上してきたが、企業会計原則に従った場合には、強制評価減制度の導入で、したがって、著しく時価が下落した場合には、時価でもって評価を強制的に減するということを行うという答弁だったんですが、平成十三年度末の時点で、財務省の方針の中で、既に、販売目的で所有する不動産については時価評価をしているのではないかと思っていまして、それで、来年の七月に出してくるものとどこがどう違うのかということがよくわからないのですが、その点を教えていただけますでしょうか。

○河崎政府参考人

五月十四日に答弁申し上げましたのは、現在の公会計制度と、これから独立行政法人制度になった場合の企業会計原則でどこが異なるかということで、ただいま先生が言われたような答弁をした経緯がございます。

 ただ、先ほど答弁いたしました行政コスト計算書でやっておりますのは極めて過渡的なものでございまして、例えば評価というものも非常に簡略な方法で評価しておりますし、それから、会計監査の制度というものも今はないわけでございます。そういった意味では、今は正式なものは公企業会計ベースのものであるというふうなことでそのような比較の答弁をしましたが、その答弁の前段といたしまして、資産についてすべて機構移行時に時価評価した上で、その後の会計処理につきましては企業会計原則で行う、したがって、強制評価減制度もしっかりした意味での導入が図られるというふうな趣旨でございます。

 したがって、前段の機構移行時における時価評価というものが先生の御指摘に対応するものだろうというふうに考えておりまして、それについてはきちっと法律上、第三者である資産評価委員が、移行時点で、移行時点における機構に承継する資産について時価評価をするというふうな形での制度をつくっておりまして、厳格な時価評価が行われるということでございます。
○原委員

もう一つ確認させていただきたいんですけれども、都市基盤整備のときの審議の中で、国土交通省の事業許可なしに先行取得された塩漬け土地が都市基盤整備公団に三十七地区あったと思うんです。こうしたいわゆる塩漬け土地と言われるものは、販売目的で所有する不動産というものに入るのでしょうか、入らないのでしょうか。

○河崎政府参考人

保有資産についてはすべて時価評価をするわけでございますが、未認可地区の保有する土地が販売用不動産になるのか、あるいは賃貸用のものになるのかということについてはいろいろなケースがあり得ると考えておりまして、必ずしもすべてが販売用不動産となるとは限らないということだろうと思います。

○原委員

さまざまなケースがあるということで、例えば入らないとすると、国土交通省から認可されてもいないような塩漬け土地は、来年七月の一日に時価評価を、移行するときになさるんですよね。七月一日に時価評価をしますと、審議の中で大臣が財務諸表をちゃんと出すということを答弁されたと思うんですが、その約束させた財務諸表の中でも、ちゃんと国民に対して明らかになっていくような財務諸表として出てくる、財務諸表の中にちゃんとそうした土地も明らかになって国民の前に公表されるのでしょうか。

○河崎政府参考人

若干先ほどの繰り返しになりますが、都市再生機構移行時に行おうとしている資産の時価評価というのは、機構が現在の都市公団及び地域公団から承継するすべての資産を対象にして行うものでございます。

 したがって、販売用不動産のみならず、賃貸用に、例えば定期借地をやっている土地でありますとか、あるいは賃貸住宅の資産でありますとか、そういう固定資産についてもすべて対象になっておりますので、ただいま先生が言われました未認可地区の保有土地についても当然時価評価が行われるということでございまして、都市再生機構移行を機に厳格な時価評価が行われまして、その後は、企業会計原則に基づいて、透明性の高い、あるいはわかりやすい財務諸表が策定、公表されることになるというふうに考えるところでございます。
○原委員

ありがとうございます。

 都市整備公団のときにも財務諸表についていろいろ質問させていただいて教えていただいてきたんですが、まだまだわかりにくい部分もある、見えない部分もあると思いますので、ぜひ、七月一日のときに出てくる財務諸表に関しては、先ほども答弁でおっしゃってくださいましたように、だれにでもわかりやすい、勉強している人だけがわかるのではなくて、本当に広く国民の皆さんにわかりやすいものになるように公表をしていっていただきたいと思います。

 ちょっと時間が余ってしまいましたが、質問を終わります 。ありがとうございました。

copyright 2001 衆議院議員原よう子事務所
 mail : h06101@shugiin.go.jp
社民党

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