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第151国会 土地収用法の一部を改正する法律案の経過措置に関する質問主意書 2001/3/28
○原陽子  地権者に合意の得られない土地を収用・使用するための土地収用法に関し、事業認定の透明性や信頼性の向上を図る趣旨で、公聴会の開催や第三者機関からの意見聴取などを義務付けた一方、収用裁決に関する手続の迅速化を意図した法律案が提出された。ところが、経過措置を見る限り、前者による透明性や信頼性の向上のための手続がないまま、収用裁決手続に入る事業があるようである。従って以下質問する。

一 附則第2条・第3条(経過措置)によれば、新法施行前に事業認定の申請があった事業(以下「旧法適用事業」という。)については、事業認定を旧法の例によって行うこととされている一方、収用裁決手続は新法に基づいて行うこととされている、と理解してよいか。
○政府答弁書 一について

 お尋ねの土地収用法の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)が成立し施行されたときは、改正法附則第二条の規定により、改正法の施行前に改正法による改正前の土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号。以下「旧法」という。)第十八条第一項の規定により申請がされた事業の認定の手続については、なお従前の例により行われることとなる。そして、この場合における事業の認定及び事業の認定の告示並びに改正法の施行前に事業の認定の告示がされた事業についての事業の認定及び事業の認定の告示については、御指摘のとおり、改正法附則第三条の規定により、改正法による改正後の土地収用法(以下「新法」という。)に規定する手続によってされた事業の認定及び事業の認定の告示とみなされ、その後に土地収用法の規定に基づき行われる手続(以下「裁決関係手続」という。)については、新法の規定が適用されることとなる。

○原陽子 二 一の理解が正しいとすれば、新法施行前に事業認定が済んだ事業は、説明会も公聴会も確保されないまま、収用裁決の手続は新法による迅速なやり方で行われることになる。これでも、権利者の権利は十分に保護されると考えるか。
○政府答弁書 二について

 新法の規定による裁決関係手続においても、土地所有者及び関係人に適正な手続を保障しており、その権利は十分に保護されていると考える。
○原陽子 三 仮に、事業認定には旧法の手続を適用しつつ、収用裁決手続には新法の規定を適用することとしても権利者の権利が十分に保護されるとするならば、新法において事業認定の申請の前に事前説明会を義務付けたり、公聴会の開催および第三者機関の意見聴取を義務付けたりするのは、どういう理由があるのか。
○政府答弁書 三について

 改正法において事業の認定に関する処分を行うに際して、説明会の開催、公聴会の開催及び第三者機関からの意見の聴取を行うこととしたのは、事業の認定に関する処分の透明性及び信頼性の向上を図るためである。

○原陽子 四 仮に、公聴会の開催および第三者機関の意見聴取が意味のあるものならば、旧法適用事業において公聴会の開催および第三者機関の意見聴取の義務付けを行わない理由は何か。

○政府答弁書 四について

 事業の認定に関する処分については、これまでも、適正な事業の認定の手続に従って適確に実施してきたところであるが、今般、事業の認定に関する処分の透明性及び信頼性の向上を図るため、公聴会の開催及び第三者機関からの意見の聴取を行うこととしたものである。
 他方、改正法の施行の際には、既に事業の認定の申請がされ、かつ、いまだ事業の認定に関する処分が行われていない事業が生ずることも予想される。この場合における当該事業に係る事業の認定の手続については、改正法の施行前において事業認定申請書の縦覧等の旧法の規定に基づく手続が進行しており、公聴会の開催及び第三者機関からの意見の聴取を適切な時期に実施することは困難であることから、なお従前の例によることとしたものである。
 なお、改正法の施行前に事業の認定の告示がされた事業について公聴会の開催及び第三者機関からの意見の聴取を行うことは、事業の認定の手続を再度行うことにほかならず、法的安定性を損なうものであることから、これを義務付けることとはしなかったものである。

○原陽子 五 旧法適用事業では公聴会の開催および第三者機関の意見聴取を義務付けない一方、新法においてはそれらが義務付けられている。極端な例を挙げれば、申請日が一日異なるだけで、そのような取り扱いの差異が生ずることになる。なぜ、一つの法の適用において、このような取り扱いの差異を設けたのか。
○政府答弁書 五について

 法律の制定又は改廃を行う場合においては、制定又は改廃後の法律の適用関係に応じて差異を生ずることは、当然であると考える。
○原陽子 六 昨年十二月まで行われた旧建設省の「土地収用制度調査研究会」では、「収用手続は慎重であるべきであって、情報公開を拒むとか、環境アセスメントが適切になされていないとかいった、いわば行政の怠慢を収用手続が後押しするようなことは適切でない。むしろ、収用手続はそのようなことがないよう慎重にチェックする制度とすることが必要である」などの提案がなされていたが、この経過措置にこれらの提案は生かされたと思うか。
○政府答弁書 六について

 お示しの提案を含む様々な議論を経て作成された「土地収用制度調査研究会」の報告書は、お尋ねの土地収用法の一部を改正する法律案(以下「改正法案」という。)の立案に生かされたものと認識している。
 なお、御指摘の経過措置の考え方は、四についてで答弁したとおりである。
○原陽子 七 この経過措置は、「土地収用制度調査研究会」が報告書を出した日から、法案として閣議決定されるまでの間に、どのような場で誰が議論して決定したのか。
○政府答弁書 七について

 御指摘の経過措置を含む改正法案は、国土交通省において、土地収用制度調査研究会の報告書、各界からの提言等を踏まえて試案を作成した上で公表し、これについて国民からの意見の募集を行い、政府部内での議論を経て、閣議決定に至ったものである。
○原陽子 八 仮に、この法律案が成立した場合に、この経過措置にかかって手続が行われる事業にはどのようなものがあるか。現時点でその可能性があるものの中で、国土交通大臣が認定するすべての事業について、その事業認定の申請者が誰かという点も含めて回答されたい。

 右質問する。


○政府答弁書 八について

 お尋ねの事項については、現時点において、改正法の施行の日が確定していないことに加え、いかなる事業が、いかなる時点で、いかなる収用手続をとることとなるかが明らかでないので、答弁することができない。

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