| 第153国会 川辺川ダム事業に関する質問主意書 2001/11/29 |
| ○原陽子 |
球磨川漁協は、十一月二十八日の臨時総会で、漁業補償契約を国土交通省と結ぶ議決を否決した。これは川辺川ダム計画に対する球磨川漁協の明確な反対の意思表示である。政府はこの意を受け、ただちに計画を凍結し、地元住民のこれ以上の混乱を避けるべきである。 一九九七年の河川法改正により、河川管理者は、河川整備基本方針と河川整備計画を定めなければならない。経過措置が設けられてはいるが、すでに四年が経過し、川辺川の注ぐ球磨川水系では、一九八八年に工事実施基本計画が改定されて以来、十三年が経過した。河川をめぐる状況の激変は言うまでも無い。よって以下質問する。
1 昨年三月の衆議院建設委員会で建設省(当時)河川局長竹村公太郎氏は、球磨川水系の河川整備基本方針については、地方建設局で「検討中でございます」と答えた。当時、何を検討していたのか明らかにされたい。また、その後、検討はどのように進んだか明らかにされたい。 |
○政府答弁
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1について
国土交通省においては、平成十二年三月当時、球磨川水系について河川法(昭和三十九年法律第百六十七号。以下「法」という。)第十六条第一項に規定する河川整備基本方針(以下「河川整備基本方針」という。)を策定するため、河川法施行令(昭和四十年政令第十四号。以下「令」という。)第十条の二において河川整備基本方針に定めなければならないこととされている次の事項について必要な調査、その結果の分析等を行っていたところであり、その後も現在に至るまで、これらの調査等を行っているところである。
当該水系に係る河川の総合的な保全と利用に関する基本方針
河川の整備の基本となるべき事項
イ 基本高水(洪水防御に関する計画の基本となる洪水をいう。)並びにその河道及び洪水調節ダムヘの配分に関する事項
ロ 主要な地点における計画高水流量に関する事項
ハ 主要な地点における計画高水位及び計画横断形に係る川幅に関する事項
ニ 主要な地点における流水の正常な機能を維持するため必要な流量に関する事項
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| ○原陽子 |
2 新河川では、河川整備基本方針の策定の際、「水資源の利用の現況及び開発」や「河川環境の状況」、そして「水害発生の状況」について考慮しなければならない。
(1) 球磨川水系の場合、国営川辺川土地改良事業におけるかつての利水の希望者にも高齢化や後継者問題により変化が現れているが、どのような形で考慮することがふさわしいと考えるか。 |
| ○政府答弁 |
2の(1)について
御指摘の「変化」が何を指すのかは必ずしも明らかではないが、河川整備基本方針は、法第十六条第二項及び令第十条第二号により、水資源の利用の現況及び開発を考慮するとともに、河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持に関する事項については流水の占用等を総合的に考慮して策定しなければならないものとされているところであり、球磨川水系についても、国営川辺川土地改良事業等の河川の流水の占用を必要とする事業の状況等を考慮して、河川整備基本方針を策定してまいりたい。
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| ○原陽子 |
(2) 川辺川ダム事業は、昭和四十年の洪水をきっかけに計画されたが、水害発生の状況に関しては、水害体験者と、当時の現場の状況を知らない現担当者との間で見解を異にしている。河川整備基本方針を策定するにあたり、大臣が意見を聴くべき社会資本整備審議会の委員は、どのように情報の正確性を担保すべきであると政府は考えるか。 |
| ○政府答弁 |
2の(2)について
御質問の趣旨が必ずしも明らかではないが、社会資本整備審議会の委員は、河川整備基本方針の案について、必要かつ適切な資料等を入手し、これらに基づき意見を述べているものと承知している。なお、国土交通省においては、これまでも同審議会の委員に対して必要な資料の提出等を可能な限り行ってきたところであり、今後とも、資料の提出等に努めてまいりたい。 |
○原陽子
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3 河川整備計画については、第十六条の二で「公聴会の開催等関係住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない」とある。川辺川の場合、意見を反映させるべき関係住民には、ダム予定地の自治体住民のみならず、漁業関係者、利水関係者、球磨川大水害の体験者、自然保護団体、球磨川川下りなど観光産業従事者なども幅広く入ることが河川法の新しい精神であると考えるがいかがか。 |
| ○政府答弁 |
3について 球磨川水系に係る法第十六条の二第一項に規定する河川整備計画の策定に当たっての同条第四項の「関係住民」の具体的な範囲については、当該河川整備計画の案の内容に応じて、国土交通省九州地方整備局(以下「九州地方整備局」という。)において検討されることとなる |
| ○原陽子 |
4 球磨川水系では、今年八月から九月にかけて数回、「球磨川水系に関する客観性検討委員会」を開いているが、この委員会と河川整備基本方針は、どのような関係があるか。
右質問する。 |
| ○政府答弁 |
4について
御指摘の「球磨川水系に関する客観性検討委員会」とは、平成十三年八月二十一日に九州地方整備局に設置された「球磨川水系の治水に関する客観性検討委員会」のことを指すものと思われるが、同委員会を設置した目的は、球磨川水系について河川整備基本方針を策定するためではなく、球磨川水系の治水対策の妥当性や当該治水対策に係る九州地方整備局及び熊本県による流域住民等への説明の適確性について河川工学の見地から評価を受けるためのものであり、当該河川整備基本方針の策定とは関係がない。 |