| 第154国会 新幹線の騒音に関する質問主意書 2002/2/7 |
| ○原陽子 |
新幹線の騒音については、環境基本法第十六条をもとに、「生活環境を保全し、人の健康の保護に資するうえで維持することが望ましい新幹線鉄道騒音に係る基準」が定められている。しかし、昭和五十年に環境庁告示(以下、告示)で定めた基準は、現在までまったく達成できていない。よって以下質問する。
一 告示では、騒音基準を達成すべき目標期間を、最大十年以内と設定した。これでは、対策に猶予を与える代わりに、住民には騒音公害を最大十年(実際には四半世紀)、我慢させることを強いたも同然である。このような公益性と個々人の生活環境の関係を政府は、どう考えるか。 |
○政府答弁
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一について
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、「新幹線鉄道騒音に係る環境基準について」(昭和五十年環境庁告示第四十六号。以下「環境基準」という。)は、生活環境を保全し、人の健康の保護に資する上で維持することが望ましい基準として、科学的判断に基づき設定したものである。一方で、新幹線鉄道の列車を運行している鉄道事業者(以下「事業者」という。)が環境基準を達成するためには、騒音防止のための技術開発や防音壁の設置等騒音防止対策を講ずる必要があることから、環境基準設定後直ちに事業者においてこれを達成することが困難なため、その期間内を目途に環境基準が達成されるよう努力を促すものとして、達成目標期間を設定したものである。
なお、具体の達成目標期間は、将来の騒音防止のための技術開発の可能性等を念頭に置きながら、騒音の状況に応じた沿線区域の区分ごとに設定したところである。
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| ○原陽子 |
二 告示が出た翌年の昭和五十一年、当時の環境庁長官は、運輸大臣に宛て「環境保全上緊急を要する新幹線振動対策について」という勧告(以下、勧告)を出した。勧告を受けた運輸省は、勧告について、事業者や関係地方公共団体に対し、どのように通知し、対策を促したか。 |
| ○政府答弁 |
二及び五について
環境庁から「環境保全上緊急を要する新幹線鉄道振動対策について(勧告)」(昭和五十一年環大特第三十二号。以下「勧告」という。)を受けた運輸省は、日本国有鉄道及び日本鉄道建設公団(以下「国鉄等」という。)に対し、振動源対策として技術開発の推進やバラストマットの敷設等の必要な措置を講ずるよう、また、障害防止対策として障害防止対策実施要領を定めて、建物の防振工事への助成や移転補償等の必要な措置を講ずるよう、通達により指示した。また、運輸省は同時に、国鉄等に対して振動源対策及び障害防止対策について必要な措置を講ずるよう通達により指示した旨の報告を環境庁へ行っている。
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| ○原陽子 |
三 勧告から二十五年が経過した今も、東海道、山陽、東北、上越、北陸、すべての新幹線路線で、騒音基準を達成した路線はない。その原因は何で、責任は誰にあると政府は考えるか。
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| ○政府答弁 |
三、六及び十一について
お尋ねは騒音に関する基準についてであると思われるが、事業者及び日本鉄道建設公団(以下「事業者等」という。)においては、これまで環境基準を達成すべく鋭意努力してきたところである。
一方で、新幹線鉄道に対する輸送需要の増加や事業者の経営環境の変化等にも起因して、路線区間の中には、環境基準が未達成となっているものがあることは承知している。このため、昭和六十年以降、当面の対策として、騒音の値を沿線の住宅の集合度合いに応じて順次七十五デシベル以下とするよう事業者を指導してきているところであり、その成果は着実に挙がってきているところである。
今後とも、技術開発等騒音防止対策を一層推進するよう事業者等を指導していくとともに、環境基準の達成に向けて新たな取組についても検討を行うこととしている。 |
○原陽子
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四 運輸省(現国土交通省)および環境庁(省)は担当者の異動や省庁再編の際、告知や勧告について、引継ぎを確実に行ってきたか。 |
| ○政府答弁 |
四について
お尋ねの省庁における新幹線鉄道の騒音及び振動に係る事務を担当する職員の異動等に際しては、御指摘の環境基準や勧告に係る事務を含めて確実に事務の引継ぎが行われている。 |
| ○原陽子 |
五五 勧告は、運輸大臣が講じた措置を報告するよう求めているが、昭和五十一年以来、運輸省(現国土交通省)は、どのような措置について、どのような頻度、方法で環境省に報告を行ってきたか。 |
| ○政府答弁 |
二及び五について
環境庁から「環境保全上緊急を要する新幹線鉄道振動対策について(勧告)」(昭和五十一年環大特第三十二号。以下「勧告」という。)を受けた運輸省は、日本国有鉄道及び日本鉄道建設公団(以下「国鉄等」という。)に対し、振動源対策として技術開発の推進やバラストマットの敷設等の必要な措置を講ずるよう、また、障害防止対策として障害防止対策実施要領を定めて、建物の防振工事への助成や移転補償等の必要な措置を講ずるよう、通達により指示した。また、運輸省は同時に、国鉄等に対して振動源対策及び障害防止対策について必要な措置を講ずるよう通達により指示した旨の報告を環境庁へ行っている。 |
| ○原陽子 |
六 新幹線鉄道騒音に係る環境基準を、最終的に、いつまでに達成するつもりか。 |
| ○政府答弁 |
三、六及び十一について
お尋ねは騒音に関する基準についてであると思われるが、事業者及び日本鉄道建設公団(以下「事業者等」という。)においては、これまで環境基準を達成すべく鋭意努力してきたところである。
一方で、新幹線鉄道に対する輸送需要の増加や事業者の経営環境の変化等にも起因して、路線区間の中には、環境基準が未達成となっているものがあることは承知している。このため、昭和六十年以降、当面の対策として、騒音の値を沿線の住宅の集合度合いに応じて順次七十五デシベル以下とするよう事業者を指導してきているところであり、その成果は着実に挙がってきているところである。
今後とも、技術開発等騒音防止対策を一層推進するよう事業者等を指導していくとともに、環境基準の達成に向けて新たな取組についても検討を行うこととしている。 |
| ○原陽子 |
七 新幹線鉄道騒音に係る環境基準を達成するための、今後の責任担当部局は誰か。 |
| ○政府答弁 |
七について
環境基準の達成に向け、事業者等に対する指導については国土交通省鉄道局が引き続き担当するが、国土交通省鉄道局に対して環境省環境管理局は必要に応じ要請を行うこととなる。
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| ○原陽子 |
八 現在、騒音を測定する際、地方公共団体等は線路から二十五メートル離れた位置で測定していると、環境省環境管理局自動車環境対策課は認識しているが、これは、「他の測定地点との比較ができるよう、軌道中心線より二十五メートル地点及び五十メートルの地点を併せて測定することが望ましい」とした環境庁大気保全局長から各都道府県知事宛ての昭和五十年の通知によるものであると考える。これは、併せて測定することを勧めているだけであって、線路またはその予定地から二十五メートル以内に接近して建っている住居などがある場所で測定することを妨げる理由にはならないと考える。この解釈に間違いはないか。また、環境基本法第十六条に鑑みれば、騒音の被害実態を正しく把握するには、住居などが実際に建っている場所で測定するべきであると考える。この考え方に間違いはないか。
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| ○政府答弁 |
八について
環境基準に係る測定地点は、沿線地域における新幹線鉄道騒音を代表すると認められる地点のほか当該騒音が問題となる地点を選定するものとしており、線路又はその予定地から二十五メートル以内の地点で測定することを妨げてはいない。なお、地方公共団体は、このような考え方により測定地点を選定していると承知している。
また、測定地点として選定される新幹線鉄道騒音を代表する地点又は当該騒音が問題となる地点は、通常、住宅等が建てられている区域内にあると考えられる。 |
| ○原陽子 |
九 勧告では「病院、学校その他特に静穏の保持を要する施設の存する地域」に特段の配慮と速やかな措置を行うことを指針としているが、生活の基盤であり、病人や幼児を含む生活者の暮らす住居も、病院や学校と同等の静穏の保持が求められるべきではないか。 |
| ○政府答弁 |
九について
およそ住居について静穏の保持が求められることは当然であるが、病院等には常に多数の病人等がいることから、勧告は、これらについて一般の住居と区別して静穏の保持のために特段の配慮をするとともに、可及的速やかな措置を講ずることを示したものである。 |
| ○原陽子 |
十 勧告には、「新幹線鉄道振動の障害防止対策として、既設の住居等に対する建物の移転補償、改築及び補強工事の助成等の措置を振動が著しい地域から実施するものとすること」とあるが、これまでに、環境基準達成のために、移転補償をした例はあるか。 |
| ○政府答弁 |
十について
新幹線鉄道の列車の走行に伴う騒音及び振動に係る障害防止対策は、これまで事業者により実施されてきたが、現在までに約八百件の建物の移転補償が実施されている。
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| ○原陽子 |
十一 勧告の持つ重みを鑑みれば、四半世紀が経過しても、基準が達成できない状況であることを、政府は反省すべきではないか。 |
| ○政府答弁 |
三、六及び十一について
お尋ねは騒音に関する基準についてであると思われるが、事業者及び日本鉄道建設公団(以下「事業者等」という。)においては、これまで環境基準を達成すべく鋭意努力してきたところである。
一方で、新幹線鉄道に対する輸送需要の増加や事業者の経営環境の変化等にも起因して、路線区間の中には、環境基準が未達成となっているものがあることは承知している。このため、昭和六十年以降、当面の対策として、騒音の値を沿線の住宅の集合度合いに応じて順次七十五デシベル以下とするよう事業者を指導してきているところであり、その成果は着実に挙がってきているところである。
今後とも、技術開発等騒音防止対策を一層推進するよう事業者等を指導していくとともに、環境基準の達成に向けて新たな取組についても検討を行うこととしている。
右質問する。 |